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三井さんの『池にある石』について、
固有名詞の多いことに触れたが、
次の一首などは、
私にとって、さまざまな記憶を招来する歌である。

・「貴ノ花!!」桟敷席より叫びしよ国技館の小中英之

貴ノ花はもちろん貴乃花の父親。
本名、花田利彰。ほくと同じ1950年生まれ。
50歳過ぎで亡くなられたのが残念でならない。
そして、小中さん。
小中さんも鬼籍に入られている。
平成13年に亡くなられた。
それにしても、
短歌人の仲間として三井さんは小中さんと一緒に
国技館に行かれたのだろう。きっと、高瀬さんも一緒だったのでは。
というより、国技館へ行く案は、
高瀬さんから出されたのではないだろうか。
そんなあれこれを考えさせる一首である。

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「本の雑誌」1月号を購入。
この号から石川美南さんの連載がはじまったから、
購入したわけではなくて、
惰性で購入したのだが、
石川さんの名前を見付けて嬉しくなった。
連載の題は「行間の広い本棚」。
「行間の広い本」と言われても、
意識していないのだが、
歌集を読んだことのない人にとっては、
歌集は「行間の広い本」だということを知った。
ということで、この連載は歌集について、
時評的に書く文章なのである。
今回は2冊とりあげている。
一冊は黒崎聡美さんの『つららと雉』(六花書林)。
もう一冊は嵯峨直樹さんの『みずからの火』(角川書店)。
2冊ともいただいているのだが、
装幀チェックで終わっている。
嵯峨さんの歌集の装幀は、
特に凝っている。
こういう装幀の歌集はこれまでお目にかかったことがない。
黒崎さんの歌集の装幀は、美しいとしか言いようがない。
冬が目の前にあるような装幀。
もちろん真田幸治さんだが。
黒崎さんは、「短歌人」、
嵯峨さんは、「未来」。
ぼくは実は余分なことを書いている。
石川さんは、当然歌集の歌について書いている。
とてもいい文章を書いている。
ぜひ立ち読みでもいいから読んでほしい。
2冊の歌集に共通するキーワードは「不在」と、
石川さんははっきり書いている。

それにしても、2018年は、
本当にすぐれた歌集が多く出された。
というより、まだ届き続けている。
こんな年もめったにないのでは。
恒例の「短歌往来」3月号の特集の執筆者もきっと困るだろう。



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三井ゆきさんの第八歌集『池にある石』(六花書林)を読み始めた。
「第八歌集」とあるが、巻末の「歌集」という記事には、5冊しかない。
2冊抜けている。抜けている2冊の歌集については、
『現代短歌大事典』で確認した。
装画が小村雪岱というのが何とも羨ましい。
本人の希望だそうだ。
馬の名前がたくさん出てくるので、不思議に思ったが、
「あとがき」に近くに乗馬クラブのある
シニアマンションに入居したとあるので納得。
でも、三井さんは、1939年生まれである。
乗馬というのは、危険ではとついつい思ってしまう。

固有名詞の多い歌集だ。
ぼくにとっては、のぞむところなのだが。
こんな歌がある。

・雑草学稲垣栄洋氏の結論は弱いことこそ成功の条件
・逆境を見方につける雑草の成功といふは生きのびる術

こ前の歌に出てくる「稲垣栄洋氏」は、短歌も詠む雑草学者である。
わが母校静岡大学で教えている。
そして、コスモスの仲間でもある。
残念ながら面識はない。
雑草関係の著作はかなりあるのでは。
ぼくは読んだことはないのだが。
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追記

2018/12/11

前回、現代短歌文庫の内藤明さんの新刊2冊について、
第一歌集の『壺中の空』が入っていないことについて、
疑問に思うと書いたが、
何人かの方から理由を教えていただいた。
要するに邑書林から出された「セレクション歌人」シリーズに
内藤さんも加わっていて、
そこに『壺中の空』が全編入っているので、
現代短歌文庫には入れる必要がなかったということでした。
それにしても、既刊6冊のうち、
5冊が現代短歌文庫と「セレクション歌人」で読めるというのは、
やはり驚きですね。

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現代短歌文庫の新刊が2冊届いた。
何と2冊とも内藤明さんの歌集。
正式には『内藤明歌集』と『続内藤明歌集』。
それぞれ2冊の歌集が全編収められている。
でも、なぜか第一歌集の『壺中の空』は、収められていない。
何か事情があるのだろうか。

『続内藤明歌集』に、略年譜があるので、興味深く読んだ。
ぼくの悪い癖で、
人の年譜を読むのが大好きなのだ。
日記を読むのが好きなのも関連していると思う。
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別の調べ事があって、
「コスモス」のバックナンバーを見ていたのだが、
1971年3月号を見てびっくり。
巻頭は高野公彦さんの8首。
今の「コスモス」は、どんなに多くても6首掲載だが、
この時代は、8首もありということにびっくり。
でも、この当時の選歌は、宮柊二先生だけだから、
別に驚くことではないかもしれない。
で、びっくりしたのは、
8首のことではなくて、
その8首の最初の歌を読んで、びっくり。
この歌です。

・少年のわが身熱をかなしむにあんずの花は夜も咲(ひら)きをり

もちろんこの歌は、高野さんの実質的な第一歌集『汽水の光』の巻頭歌です。
そして、もう一人。
河野裕子さんは、この時期はもちろん「コスモス」の会員。
この号の「COSMOS集」に5首採られている。
そのうちの1首が、この歌。

・森のやうに獣のやうにわれは生く群青の空耳研ぐばかり

もちろん、第一歌集『森のやうに獣のやうに』の歌集題となった歌。
高野公彦と河野裕子の代表作が、
この「コスモス」1971年3月号に掲載されていることに
とにかく驚きました。
それと蛇足ではありますが、
河野さんのこの歌集の跋文は、
何と高野さんが書いている。
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今日購入した本は『本屋の新井』(講談社)。
著者は、新井見枝香。
東京都出身。1980年生まれ。

今日届いた歌集は『林立』(本阿弥書店)。
著者は、花山周子。
1980年、東京生まれ。

何という偶然。
そして、二冊とも、すごい本。

読書大好き人間のぼくにとって、
短歌大好き人間のぼくにとって、
この二冊の本は、
想像を超えた表現の世界にいる人による本だ。
でも、もちろん、
二冊とも読み応えのある本だ。
じっくり読もう。

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「相棒」

2018/11/29

昨日の「相棒」を見てびっくり。
短歌ネタ満載。
新聞歌壇の投稿歌。
投稿者は、ホームレス歌人。
挙げ句の果てには、
官僚たちの歌会まで登場。
内容はイマイチでしたが、
新聞歌壇の選歌者の名前は、
笑うしかなかった。
笹本公彦とか栗山ゆかりという名前になっていた。
当然、何人かの新聞歌壇選者の名前をミックスしことが分かります。
宇田川さんの日記によれば、
笹公人さんが協力していて、
歌会の取材もされたとか。
ところで、
先日高野公彦さんからお聞きしたが、
最近の新聞歌壇の投稿者ですが、
男性が五割を超えているそうです。
定年退職した人たちが、
投稿を始める率が高くなってきたとのことです。
この番組の影響で、
さらに増えると嬉しいのですが。

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「OCTO」

2018/11/28

「OCTO」という本が届いた。
内容は、超結社の8人の女性歌人のアンソロジー。
しかも、同人が全員1973年生まれだから、
それぞれ73首載せている。
編集人は佐藤りえさん。
発行人は富田睦子さん。
富田さんの73首の題は「雨後の月」。
「雨後の月」は酒の銘柄名。
ぼくはまだ飲んだことはない。
この73首にこんな歌を見付けた。

・満月は老ゆることなくそらにあり『黒羅』をひらく夜の安堵は
・逝きしひとの歌集読むとき鳥葬の鳥はなずきに羽ばたき初むる

『黒羅』は河野愛子さんの歌集。
ぼくも好きな歌集だ。
河野さんは一度だけ遠くから見た思い出がある。
京都の春のシンポジウムの会場だった。
そのときの河野さんは、まさに黒羅の人だった。
お手紙は何度かいただいたが、
声を聞くことのできる機会はなかった。
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訂正

2018/11/17

一昨日、稲垣喜代志さんにお会いしたのは、
古島哲朗さんの出版記念会と書いたが、
そうではなかった。
今日、午後しののめ短歌会の月例歌会があり、
この話題を出したところ、
古参の会員たちから、
稲垣さんは来ていませんでしたよと言われ、
よくよく考えたら、
違う会の懇親会の席で稲垣さんとお会いしたのだ。
はっきりは覚えていないが、
森三郎という刈谷出身の童話作家についての
シンポジウムが刈谷中央図書館であり、その後の懇親会で
お会いしたのだ。
森三郎さんは、森銑三さんの弟である。
なぜかお兄さんの銑三さんより、弟の三郎さんのほうが、
刈谷では人気がある。
もちろん、全国的には、森銑三さんのほうがよほど有名であるが。

ところで、今日の歌会で、
何とぼくの提出した詠草が10票獲得した。
前代未聞、あるいは空前絶後としか言いようがない。
だいたいは、0票なのだから、
10票は、われながらよく入ったものだと感心している。
それから、
本日届いた「コスモス」12月号では、
高野公彦さんが、ぼくの歌について書いてくれている。
これも嬉しかった。
高野さんとは、一週間後にお会いする予定。



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