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本日午後あわてて、「週刊文春」6月1日号を買いに行く。
もちろん岸田ジュニアご乱行の記事を読むためではない。
阿川佐和子の「阿川佐和子のこの人に会いたい」を読むため。
今回が1443回で、相手は馬場あき子さん。
ドキュメンタリー映画の公開記念で登場とのこと。
まあ、とにかく自由自在に語る内容の豊富さに驚くしかない。
馬場さんに限って老いはどこへ行ったのかと思う。
だから、阿川さんの対談後の「一筆御礼」も
お父さんの阿川弘之氏と比べて、こんなことを書いている。

「九十四歳で他界した父の晩年を見ていた経験から、人は
歳を取ると出かけることも人に会うことも新しい事象を受け入れることも
すべて億劫になり、常に憂鬱と隣り合わせであると思っておりましたが、
馬場さんは父とまるで正反対。初対面の私に驚くほどご機嫌麗しく
腰低くご挨拶くださり、そのあとも、あらゆることがなんとリズミカルで
明るさに満ちていることでしょう。」

男性と女性の違いなのか。それとも馬場さんの際立った個性なのか。
馬場さんと肉声を交わしたことがないので、なんとも分からない。

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さきほどメールの整理をしていたら、
こんなメールを見つけました。
いやあ、懐かしい。
2020年2月に批評会を開催した後、
5月中止、そして8月も中止して、このメールになります。
このメールでは「早くても、来年後半になるのではないでしょうか。」
と書いていますが、実際には、さらに遅れましたね。
なお、このメールの「松村さん」は、松村由利子さんです。


鈴木竹志です。

編集委員で検討して、すでに19号の批評会については、
中止ということで意見がまとまっていましたが、
同人のみなさんに伝えていませんでした。
19号の福岡での批評会も中止します。
なお、19号の作品評については、
ゲスト批評者として予定していました松村さんにお願いします。

なお、個人的な意見ではありますが、
20号以降の批評会についても、
開催は無理ではないかと考えています。
早くても、来年後半になるのではないでしょうか。
あくまでも個人的な意見です。

ではよろしくお願いします。

2020/09/01


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5月27日午前10時半より、
「灯船」29号批評会。
会場は、京都市男女共同参画センター。
東洞院通沿いにある建物。
地下鉄の四条駅を出て、すぐ方角が分からず、
地元の人らしき人を見つけて聞いてみると、
あっさり解決。
しかし、東洞院通に入ってびっくり、
日本人より異国の人のほうが多い。
なんで、こんな本通りではないところにと思ったが、
何せ四条周辺だから、当然なのかもと思った。
批評会出席者は、23名。見学者が1名。
昼食休憩を50分とった以外は、みっちり作品評を行う。
ぼくは相変わらずの深読みを繰り返して、
作者から違いますと言われてばかり。
残念無念。
まだかつての勘が戻ってこないという感じかな。
三年三か月ぶりに懇親会も行う。
会場は、なぜか四条の銀座ライオン。
たたスタッフの手際の良さには感心。
5時過ぎから二時間。
終了後、京都駅へ直行。
8時前ののぞみに乗ることができた。
のぞみだから、寝てしまうと、
東京まで行くことになるので、
必死に眠気をこらえる。
何人かの友人が京都でしこたま飲んで、
いつの間にか眠り込んでやむなく東京で一晩過ごしたという話を聞いていたから、
とにかく起きていた。
無事名古屋で降りることができた。
何とか元のように批評会ができてほっとしている。
次は8月末の東京。
多分、今度は30名を超える同人が集まると思う。
何せ30号の批評会だから、
こちらもいろいろと手を打っている。
さて、こちらの思惑どおり集まるかどうか。




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日曜日は、コスモス短歌会愛知支部の歌会。
会場はもちろん、名古屋市短歌会館。
出詠者は14名、出席者は7名。
何とか二桁の出席をとは思うが、
それぞれ事情があって、
コロナの前のようにはいかない。
出席者の歌の中心に3時半過ぎまで行う。

月曜日、刈谷北高校で短歌入門の講座。
二時間目、三時間目、
二年生の国際教養科40名に短歌のつくり方と実作指導、
さらに出来上がった歌についての講評を行う。
男子が5名というのは、少しさびしかったが、
女子の中には、初めてにしては、なかなか良い歌をつくる生徒がいた。
今回は、担任の先生にもつくってもらった。
その中の社会の先生の歌を紹介する。

・検診のエコー画像はエイリアンそれでもかわいいおなかのわが子

やはり初めての短歌づくりとのこと。それにしては、出来がいい。
40人中、十数名の歌の講評をして時間切れ。
生徒たちには、何とか満足してもらえたのでは。

火曜日。
みよし短歌会の例会。
みよし市の図書館のある建物の三階の会議室が会場。
出詠者15名。出席者10名。
二時間程度、それぞれの歌について意見を交わし、
最後にぼくの「天地人」を発表。

明日は名鉄カルチャーセンター、
土曜日は、「灯船」29号の批評会。
会場は、京都。
そして、遂に懇親会も開催。
いよいよコロナ禍前に戻りそうだ。


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「路上」154号が届いた。

志垣澄幸さんの「甘藷嫌ひ」と題する22首が掲載されている。
いい歌がたくさんある。

・校庭にキャッチボールをする父子われになかりし時間みてをり

ぼくもこういう時間はなかったなあ。

・夫亡くせし長女の老後を思ひをり日曜日も朝より勤めに出づる

父親としては、何も日曜日までという思いは当然ある。
しかし、娘さんにすれば、夫はもういないのだから、
稼げる時に稼ぎたいという必死の思いがあるだろう。

・藁人形を竹槍に突くもんぺ姿の叔母をみてゐし幼きわれは

80年くらい前の思い出ですね。原爆を落とす国と竹槍で
最後の決戦を迎えようとした国とでは、勝敗は明らか。
なのに、軍部の一部は戦争に舵を切ってしまい、
あまつさえ、無条件降伏を阻止しようとした。
こんな歌もある。

・奇妙なる地名と思ひき「妻」といふ母の故郷に引き揚げてきて

確かに「妻」という地名は意外性がありますね。
志垣さんは台湾から引き揚げてきたのです。

さらにこんな歌。

・十両のこの位置に居りしや 照強 けふも大量に塩撒きてをり

ぼくもこの前相撲中継を見ていたら、
照強は十両で相撲をとっていた。
照強の大量塩撒きは有名だが、
何もあんなに撒かなくてもという思いはぼくにもある。
だから、この歌にも同感。

・大量に塩撒く力士にもつたいないと見てゐるわれは昭和の育ち

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「ヤママユ」65号の巻頭エッセイを喜夛隆子さんが、
「時事詠はいま」という題で書いている。
その引用歌の中に、高野公彦さんの『水の自画像』の二首などとともに、
ぼくの『聴雨』の歌が入っているのに驚いた。
この歌が引用されている。

・むざむざと「復興五輪」の旗おろされて政治家たちに矜持はあるか

コロナ禍という事情はあったにせよ、
一年遅れて開催された東京五輪には「復興五輪」という言葉は、
見当たらなかった。
とにかく無観客でもいいから、やったということが大切だと、
関係者の方々は考えたのだろう。
ほんの一部だけは、宮城、福島で競技がおこなわれたようだが、
当初の計画からすれば、実に小規模だった。

この号には追悼文が二編掲載されている。

十鳥敏夫さんの追悼文を櫟原聡さんが書いている。
それから、萩岡良博さんが「春の鬼」という題で、
前雄仁さんの追悼文を書いている。
前雄仁(まえたけひと)さんは、前登志夫さんの次男。
五十四歳だった。
前さんの歌には、こんなふうに詠まれている人。

・とどろきて坂登りくる青年のオートバイこそ春の鬼なれ

この青年が在りし日の雄仁さん。
この雄仁さんと六年前に亡くなられた愛娘のいつみさんについて、
萩岡さんはこんなふうに書いている。

 三人子のひとり、先師の愛娘いつみさんが亡くなったのは
六年前。行年四十四歳。ふたりとも早過ぎる死である。いつ
みさんは人なつこかったので、童女のころからよく知っていた
が、雄仁君は人見知りであっのか、小さい頃もその後もそれ
ほどわたしの印象に残っていない。(以下略)

三ページにわたって書かれた萩岡さんの追悼文を読むと、
この前雄仁さんは、本当に繊細な人であったようだ。繊細
すぎるために人との交わりに苦労されていたのだろう。



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中日短歌会

2023/05/02

4月24日に、中日歌人会の総会について書いたが、
この日の午後、中日短歌会の定例第385歌会が開催された。
以前は年10回開催されていたが、
最近は年8回開催している。
第一回の開催が昭和31年4月22日だから、
67年近く続いている歌会である。
超結社の歌会で、これだけ続いている歌会もそんなに多くないのでは。
間もなく400回を迎えるから
記念の歌会も開催されるのではないかと思う。
さて、23日の歌会は大変な盛況となった。
出席者は、出詠者が42名、出詠のない人が1名で、
都合43名の出席。
コロナ禍以前でも、これだけの出席者は稀だったと思う。
やはり短歌ブームは到来しているのだろうかと、
思わせるに十分だった。
名古屋市短歌会館で一番大きな部屋で、
収容人数が48名だから、本当にすし詰めに近かった。
出席者は、順番に提出歌について評をするのだが、
今回は人数が多いので、一首につき、一名の評ということになった。
ぼくが当たった歌はこの歌。

・また雨と見上げてどうやら菜種梅雨細く巻きたる傘をほどきぬ

文句なしの歌なので、
もし選者だったら、最優秀に選ぶ歌だと激賞してしまった。
歌会終了後、
細溝洋子さんが来て、「鈴木さん、私の歌をほめてくれてありがとう」
というなことを言われので、
「あれっ、細溝さんの歌だったの」と間の抜けたことを言ってしまった。
中日短歌会の最近の細溝さんの歌は、
実にいい。この歌会に参加するたびに、
細溝さんはいい歌を詠んでいるなあという
感想ばかりが浮かぶ。
とにかく43名の出席だから、
いつもよりかなり遅れて4時過ぎに終了した。
次回は6月25日。
この日も40名近くの出席があれば、
短歌ブームはいよいよ本物かと得心できるだろうが、
さて、どうなるだろう。
因みにぼくは出席するつもり。
会員外の方も当日参加できるので、
関心のある方はどうかのぞいてみてください。





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本日の中日新聞夕刊の「中部の文芸」欄に、
佐藤華保理さんの歌集『ハイヌウェレの手』と
神谷朋子さんの歌集『月ふとりゆく』が取り上げられている。
執筆者はもちろん松平盟子さん。
この二人については、私は個人的に知っている。
佐藤さんは「まひる野」所属で、この歌集は第一歌集。
島田修三さんの愛弟子の一人。
神谷さんは、「かりん」所属で、やはり第一歌集。
神谷さんと知り合いになったのは、30年以上前。
若い時から歌を詠んでいたが、中断の期間がある。
松平さんがつけた今回のタイトルは「社会で働く女性の肉声」。
働く女性の歌という観点で書いている。
偶然だが、二冊とも本阿弥書店から出されている。
神谷さんの歌集は、昨年10月、佐藤さんの歌集は今年の3月刊行。

この夕刊には、加古陽治さんの「一首のものがたり」が掲載されている。
今回の対象は、『パン屋のパンセ』で有名になった杉崎恒夫さん。
加古らしい丁寧な探索で、杉崎に迫っている好文だ。



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昨日中部日本歌人会の総会が開かれた。
この会議をもって、ぼくの委員長退任が決定した。
事務局員から始まり、委員長職まで、
20年近く事務局、役員と長く、
中部日本歌人会の運営に携わってきたが、
ようやく離れることになった。
20年近く続けてきたので、
これからは、もう歌会以外では、
一緒に仕事をしてきた人たちとは、会えないことに
今ごろ気が付いた。
会うことが当たり前だった人たちともう会えないということがどういうことなのか、
今ごろ思い知った自分にあきれている。

そして、ぼくの後任の委員長には、
塔短歌会の吉田淳美さんに決まった。
長く会計を担当されてきた方で、実務に優れた方なので、
ぼくも安心して退任できる。
もちろん、女性委員長は、初めてである。
なお「淳美」は「きよみ」と読みます。
中部日本歌人会は、
中の会が活動を終えた後には、
東海地方の歌壇の中心として、
歌会活動や合同歌集の作成を続けてきた。
もうすぐ70周年を迎える会である。
これからも、この活動によって、
東海地方の歌壇を支えてゆくことは間違いない。



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「コスモス」5月号を読んでいたら、
片岡絢さんがこんな歌を詠んでいた。

・市役所に勤める我に「シヤクショノのケンコウホケンカ」から電話くる
・電話口の奥の静寂 市役所にケンコウホケンカといふ部署はない
・男性の声じつと聞くこの人が詐欺師を選ぶまでの道のり

特殊詐欺の歌なのだが、臨場感がある。
哀れな詐欺師の声にじっと聞き入る市役所職員の片岡さん。
どうしてこんなことをするようになってしまったのかと、
哀れに思いつつ、男の声に耳を澄ませている。
多分電話の主も対応の冷静さにヤバイと思ったのではなかろうか。
しかし、切らないと自分の身が危ういと思いはじめていたのではなかろうか。
そんな場面も想像させるこの三首、
こういうタイプの歌は珍しいが、人間の姿がまざまざと浮かんできて、
読む側としては、不謹慎にも楽しんでしまうところがある。


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スズタケ

Author:スズタケ
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