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新鋭短歌シリーズのラストとして、
小坂井大輔くんの『平和園に帰ろうよ』が出された。
自分の店の名前を
歌集の題に入れてしまうところが、
いかにも小坂井くんらしい。
巻末の加藤治郎さんの解説を読んでぴっくり。
何と小生の名前も登場している。
ぼくがしたのは、
平和園に置かれているスケッチブックに
即詠を何首か書いただけなのたが。
しかも紹興酒をしこたま飲んで、
酔っぱらったまま書いているので、
素面の時に読み返すと、何とも情けない歌の数々ではある。
しかし、この証拠物件は、
平和園に行けば、誰でも読めるのだから、困ったものだ。
まさに自業自得としか言いようがない。
どんどん古希が近づいてくるというのに。

高校生活を詠んだ歌が、
元教員としては、面白く読んだ。

・黒板消し一度も落ちてこない教員人生なんてあるのか

確かにぼくも経験している。
ただドアに挟んであるので、
わざとらしく黒板消しが当たらないように教室に入った。
仕掛けた生徒にとっては、
嫌な教員だったろう。
他には、出席簿の下に、あやしげなものが置かれていたこともある。
今の高校生は、そんないたずらをして、
教員に対して鬱憤をはらすということはしないだろうな。

ぼくは、この歌集を青春賛歌として読んだが、どうだろう。




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わけあって、
岡井さんの『歳月の贈物』を書庫から出してきて、
頁を繰ってみた。
何と1首組み。
装幀は、政田岑生さんだった。
前歌集の『鵞卵亭』も政田さんだ。
ということは、
この歌集の作成には、
塚本邦雄さんが大いに関わっていたのだ。
この歌集が出されたのは、
1978年。
40年以上経って、
ようやくぼくのような者にも、
事の経緯というものが分かるわけだ。
まさに「歳月の贈物」と言えよう。

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一太郎

2019/04/16

「短歌研究」4月号の「平成じぶん歌」の最終回に
穂村弘さんも出詠している。
題して「一太郎」。
この題で、「そうか」と反応できる人は、
もうかなり少ないだろう。
こんな歌がある。

・僕はまだ一太郎です気がつけば花子はどこかへ消えてしまった

穂村さんが「一太郎」を使っているというのは嬉しい。
当然ワードを使っていると思ったので。
ぼくは、パソコンを使いはじめたのが、
35年近く前だが、
それ以来ずっと「一太郎」を使っている。
念のために言えば、
「一太郎」はジャストシステムが開発したワープロソフトの名称である。
確かに「花子」というソフトもあったなあ。
デザイン系のソフトだったかな。
「三四郎」というソフトあった。
結局生き残ったのは「一太郎」だけのようだ。
今更ワードは使えないので、
何とか「一太郎」には生き残ってほしい。
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さきほど、コスモス短歌会の新ホームページについて、
内容はまだ充分でないと書きましたが、
そんなことはないですね。
例えば、ぼくが3月号に書いた「後藤美子論」は、
全文見ることができます。
6頁にわたる割と長い評論ですが。
しかも、PDFですので、
どうぞ、プリントアウトして読んでみてください。
それと、選者及び元選者は、
月集スバル欄に所属しているのですが、
この欄に所属する人の作品は、
3月号、4月号のものは、
読むことができます。
ということは、
拙作も、日本全国の方たちに、
読まれてしまうのだ。嗚呼。
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コスモス短歌会の新ホームページができました。
1月の選者会議の際、
何人かの選者から、
他の結社のホームページのように、
専門家に依頼して、
見た人が、入会してみたくなるようなホームページにできないかと
いう意見が出されました。
費用のことがあるので、
ぼくは内心なかなか難しいのではと思っていましたが、
編集部の方たちが、
実現に向けて努力された結果、
できあがりました。
さきほど見ました。
内容はまだ充分ではありませんが、
見た印象はとてもいいですね。
多分、このホームページを見て、
コスモス短歌会に入ってみようかなという人は
かなり増える気がします。
どうぞ、このブログをのぞいているみなさん、
コスモス短歌会の新ホームページものぞいてみてください。

なお、グーグルでは、最初のページには出てきませんので、
下のドメインで検索してみてください。

Cosmostankakai.com

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始まる

2019/04/13

いよいよ大学の授業が始まる。
昨日は、「現代短歌」。
履修者名簿には、34名登録。
出欠を確認したところ、
4名が欠席。
ガイダンス的な内容ながらも、
かなり大切なことも話しているので、
初日欠席というのは、
どうかなとは思うが、どうしようもない。
名簿には反映されていないが、
履修希望の者が4名。
ということで、
今年の「現代短歌」は、
40名前後ということで例年並みの受講者数になりそうだ。
もう一つ、木曜日の3限の授業があるが、
こちらは、名簿の人数は、例年より多い。
授業の性質から、
20人前後が一番いいのだが、
こればっかりはどうしようもない。
30名を超えないことをただ祈るのみ。

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一白水成

2019/04/10

昨年の秋に出された玉井清弘さんの
第9歌集『谿泉』を読んでいたら、こんな歌を見つけたる

・秋田より一白水成届きたり辛口の酒陸奥かおる

少し驚いた。
3月の末に、東京から来られたUさんと飲んだ時に、
二人でこの酒を飲んだ。
すっきりした味わいで、どんどん飲めそうな酒だった。
この店では、今までおいていなかったので、
秋田の新しい醸造元のお酒かなと思ったが、
玉井さんの歌を読んで、そうでもないことが分かった。
玉井さんもこの酒を飲んでいることが分かって、
なぜか嬉しくなった。
さて、この酒を飲めるのは、いつだろうか。
初夏に飲むと、さらに美味しく感じられる気がする。
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宮芳平

2019/04/09

前に書いた一ノ関忠人さんの『木ノ葉揺落』にこんな歌がある。

・人生の最後に黒く塗りつぶす太陽を画く宮芳平は

「宮芳平回顧展」という詞書がある。
信州方面に出かけた際の連作の一首だから、
多分この回顧展は、安曇野市の豊科近代美術館で開催された
展覧会だろう。
宮芳平とは何者か。
「宮」という姓でだいたい推測はつくと思う。
この歌の次の歌には、その答えがある。

・どことなく甥の柊二に似てゐるか厚塗りと瘤とはおなじ血脈

ぼくもかつて豊科近代美術館に行き、
宮芳平の絵を十数点見た記憶がある。
ただぼくの場合は、回顧展ではなく、常設展だから、
一ノ関さんほど多くは見ていない。
だから、一ノ関さんが「甥の柊二に似てゐるか」と
詠むのには、全面的には賛同できない。
もう一度この美術館を訪ねて確認してみたいとは思う。
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万葉ブーム

2019/04/03

元号にからんで、万葉ブームが起きている。
まあ、一過性だとは思うが。
実は、大学の卒論は、二回生のころまでは、
万葉集について書こうと思っていた。
ということで、わが書庫に万葉関係の本が残っているかなあと思ったら、
何と今回の作成者ではないかと言われている中西進の『万葉の秀歌』が
あった。講談社現代新書版だから、
最も古い版である。今はちくま学芸文庫で出されているようだ。
でも、この本は、教員になってから手に入れた本だった。
それではとさらに探したら、
かの有名な斎藤茂吉の『万葉秀歌』が出てきた。
初版が1938年だが、
ぼくのものは1968年だ。
つまり高校3年生の時に手に入れたようだ。
卒論に万葉集を書こうと思った動機には、
この『万葉秀歌』が影響しているのかもしれない。
でも、そんなに熱心に読んだという跡は残されていない。
結局卒論は宇治拾遺物語について書いた。
大学の集中講義で益田勝実さんの講義を受けて、
見事に洗脳されてしまった。
ただ、卒業後は、説話文学について書くことはなかった。
短歌の世界に入っていったしまったからだろう。

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『山海記』

2019/04/02

佐伯一麦の新刊『山海記』をようやく読み終える。
「せんがいき」と読む。
中国の古典『山海経』に因んでいるのだろう。
大和八木から新宮までの日本一番長い路線バスに
乗り込んで、旅の見聞を綴ったと言えば簡単であるが、
その書かれた内容はとんでもないものだ。
どうしてこんなに丁寧に描写できるのか見当がつかない。
写真を撮りまくって、後で思い出しながら書いているとも思えない。
ひたすら記憶し、記憶した堆積から掘り起こして書いている
としか思えない。
最後のページに至って、呆然とした。
ここで終わるのか。
佐伯にとっては、この終わり方が必然だったのだろう。
読者には不満が残るかもしれない。
ぼくは、そうなのか、ここで終わらなくてはいけなかったのかと、
と思うしかない。
装画も素晴らしい。
佐伯の読者には、また一冊大切な本が増えた、
このことだけは間違いない。
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