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三月書房

2020/08/29

高橋千恵さんの第一歌集『ホタルがいるよ』(六花書林)にこんな歌がある。

・こってりの胃を引っさげて見つけたり寺町通りの三月書房
・歌集五冊を背負いつつ六地蔵行きに乗り換えようやく座る

もちろん京都の三月書房を訪ねた際の歌である。
五冊も買い込んだのだ。
ぼくも一度だけ訪ねたことがある。
三冊くらいは買ったかなあ。

この三月書房がなくなってしまう。
すてに地べたの本屋のほうは閉店してしまい、
通販のみになっている。
通販のほうも今後閉店するようだ。
短歌関係の雑誌も多くとり扱っていて、
歌人にとっては、聖地の趣もあったが、
ぼくも通販ではよくお世話になっていて、
本当に残念だ。
短歌関係の友人たちから、
歌集を手に入れたいという相談があると、
まずは三月書房のホームページで確認して
手に入れるといいよと言っていたが、
これも今後はできなくなる。

大きく時代が変わろうとしているときの
ひとつの余波なのだろうか。

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一昨日、荻原魚雷さんの「文壇高円寺」を読んで、
水上勉の『今生の人びと』が読みたくなり、
早速「日本の古本屋」で探した。
多くの書店から出品されていたが、
値段より状態の良いことを優先して、
京都の古本屋に注文した。
昨日の午後振り込んだのだが、
何と今日の午後には届いた。
これくらいスピーディーに手配してくれるのはうれしい。
書店によっては一週間以上かかることがあるから、
これからは、この書店にお世話になる可能性が増した。
『今生の人びと』の出版元は、構想社。
発行者の名前は、坂本一亀とある。
かつての「文藝」の編集者だ。
もちろん坂本龍一の父親。
構想社の本はこれで二冊目。
高校の教員になってから、
いろいろ出されていたようだが、
そのころは、短歌関係の本を集めるのに夢中で、
小説や評論はあまり買わなかったので、
構想社の本が少ないのだ。
ただこの歳になってこそ、
構想社の本の味が分かるという気もする。
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今日栄のジュンク堂で買った三冊のうちの一冊が
庄野潤三の『庭の山の木』。
もちろん講談社文芸文庫の一冊。
「著者に代わって読者へ」を
長女の今村夏子さんが書いている。
題は「父のハガキ」。
とてもいい文章だ。
解説は中島京子さん。
女性の作家が庄野潤三の文芸文庫の解説を
書くのは珍しい。
こちらの題は「そこにある、あたたかいもの」。
題からしてとてもいい。
もちろんこちらもいい文章だ。
この二人の文章を読んだだけで、
もう元を取ったという気がしてくる。
というのも、昭和48年刊行の単行本は持っているので。
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中峠

2020/05/08

最近、川本三郎さんの本を読みつづけている。
一言でいえば、ひとり旅を綴った文章に癒されるのだ。
今読んでいるのは、
2004年に出された『我もまた渚を枕』(晶文社)。
副題が「東京近郊ひとり旅」。
今朝五番目の町「我孫子」のところを
読んでいて、「中峠」の読み方が間違っていたことを知った。
コスモスの仲間に豊島秀範さんという方がいるのだが、
その住所が「我孫子市中峠・・・」。
ぼくはずっと「なかとうげ」と読んでいた。
ところが、この「我孫子」のところを読んでいたら、
我孫子の町には、「変わった読み方をする町が多い」と書いてある。
その例として、「都部」は「いちぶ」、
「日秀」は「ひびり」、
そして「中峠台」は「なかびょうだい」。
ということは豊島さんのところは「なかびょう」なんだ。
それにしても不思議な読み方をする。
アイヌ語と関わりがあるようだ。
つまり、ある時代まではアイヌがこのあたりにも進出していた名残なのだろう。
ところで、わが刈谷の町の周辺の市の名前で、
意外に読めない名前がある。
西隣の「大府」は、「だいぶ」でも「だいふ」でもない。
「おおぶ」と読む。
東隣の「知立」は「ちだち」でも「ちたち」でもない。
まして「しりたち」でもない。
「ちりゅう」と読む。
地名は難しい。
大震災後、よくわが町の名前が話題になった。
何と「高津波町」。

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こもりっぱなしというのも、
精神衛生上好ましくないので、
昨日、ストレス解消の一環として、
知立の書店に行く。
まず「ユリイカ」の増刊号を購入。
坪内祐三さんの追悼特集号。
何と453ページもある。
ほとんどすべてのページが文字で埋まっている。
広告はいっさい無い。
編集者の矜持なのだろう。
「本の雑誌」の追悼特集よりも読み応えのある文章が
多く掲載されているのはうれしい。
ただすべて読み切るというのは難しいかも。
次に講談社文芸文庫の新刊『つげ義春日記』を購入。
講談社文芸文庫は値段高いが、
年譜が掲載されていて、
しかもかなり詳しいので、
ぼくみたいな年譜好きにはたまらない。
こういう喜びは、どうも歌人の方にはわかってもらえないみたいだが。
そういう点でも、ぼくはどうも歌人という枠には
あまりはまらないタイプなのだろう。
でも、大島史洋さんや小池光さんには
この嗜好はわかってもらえるような気がするが、
いや、甘いかな。
それで、そのつげ義春の年譜なのだが、
何と2020年4月まで書かれている。
そこにはこんなことが書いてある。

四月、講談社より『つげ義春大全』全二二巻の刊行開始予定。

いやあ、すごい。
こんなことが起きるなんて信じられない。
そもそもつげさんよく承知したなあとも思う。
息子さんのことを思って決断されたのかなあ。
つげさんは、元気とは言えないが、
ともかく生きている。
何と今年の一月にはフランスに行っているのだ。
もちろん、初めての海外旅行だ。
原画展と受賞式があったので、
あえて出かけたのだろうか。
つげ義春がフランスの地に降り立ったなんて、
本当に信じられない。
年譜を見て目を疑ったくらいだ。




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