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「本の雑誌」10月号の坪内祐三の連載
「坪内祐三の読書日記」を読んでいたら、
最後の最後のところで、
とてもいい言葉に出会えた。
『ミュージック・ジャケット・ストリーズ』という本に掲載されている
インタビュー記事での
信藤三雄という方の発言。
以下、孫引き。

「最後に残るのは、誠実にやってきた人です。
特に今は、誠実さが軽んじられる世の中だから、
よけいに誠実な生き方が素晴らしいんだと
伝えたいですね。」

当たり前のことですが、
でも、誠実な人は今本当に少ないですね。
才能をあると思いこんで、
日々の些細なことには気にもとめない人が多い。
また、何かあると自分の事情を優先してしまう人も。

短歌の世界でも、意外に誠実な人は少ない。
でも、だからこそ誠実な人が目立つので、
こちらとしてはやりやすいなあとも思う。
つまり、誠実な人を大切にすればよいのだから。
そして、ぼくも何とか誠実に今できることをしたい。
生き残れるかな。
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高田郁の新刊『花だより』を読み終える。
サービス満点としか言いようのない一冊である。
「みをつくし料理帖」シリーズが完結した後、
ファンたちの続刊を望む声に応じた一冊である。
4編収められているが、
どれも、「みをつくし料理帖」ファンへのサービス精神
満載で、読んでいて本当に嬉しくなってくる。
読み終えたくない、でも、最後まで読んでしまいたいという
葛藤の末、読み終えてしまった。
最後の最後までサービス満点。
というより、最後のページまでサービス満点の一書である。
残念ながら、さらなる続刊はないということを
高田さんは、附録のインタビュー記事で述べている。
眼の手術もされるということだから、
5冊目まで刊行されている、もう一つのシリーズの続刊は
どうなるのだろう。
ひょっとして、年内は無理なのかもしれない。
それなら、この特別巻をまた繰り返し読むしかない。
それだけ読んで嬉しい一冊である。
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「週刊文春」5月31日号の「文春図書館」の
「私の読書日記」の担当は立花隆。
この文章の中で『スペクテイター』という雑誌の41号が
つげ義春の特集を組んでいることを紹介している。
初耳だが、これは何としてもこの未見の雑誌を
手に入れなくてはと決断する。
決断して、実行して、結果オーライではあったが、
そのことは置いておいて、
立花はこの文章で、
つげ義春本人とは話したことがないが、
奥さんの藤原マキさんのことはよく知っていると書いている。
なぜ知っているかと言うと、藤原さんが飲み屋を開く時に、
人に頼まれていろいろとアドバイスしたことがあるというのだ。
その当時立花は、新宿ゴールデン街で「ガルガンチュア立花」
というバーを経営していたというのである。
立花隆がバーの経営者だったというのも初耳。
ただこの文章の内容と、
つげ義春の年譜との記述が合っていない。
つげ義春の無名時代は、奥さんの藤原マキが飲食業に
関わって家庭を支えたということになるのだが、
どうもそのあたりが怪しい。
で、問題は『スペクテイター』という雑誌。
手に入れましたが、
とにかくとんでもない雑誌である。
この「スペクテイター」という名を持つ雑誌については、
これまで全くぼくのレーダーに捕捉されることがなかったのが不思議。
多分置いている書店が少ないのだろう。
しかし、ぼくは、この雑誌を
JR高島屋の旧館の三省堂で手に入れた。
店員さんに探してもらったら、
何とあるではないか。
三省堂を少し見直した。
雑誌の感想等については、後ほど。


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身余堂

2018/04/03

先頃亡くなられた直木賞作家の葉室麟の随筆集
『柚子は九年で』(文春文庫)を読んでいて、驚いた。
「身余堂」と題するエッセイがあるのだ。
葉室はこの住居を一人で訪ねたことがあり、
それを一文にしたのだ。
京都の鳴滝のあたりにこの建物はある。
ぼくは二度訪れたことがある。
一度目は、外から眺めただけ。
二度目は、そこで行われた歌会に参加した。
二回とも友人の誘いで出かけた。
何とも言えない風情が外観にも、庭にも、
そして家の中にも漂っている建物だ。
時間の感覚がなくなってくる。
閑静な住宅街を抜けたところにあり、
静かな落ちついた雰囲気にみちているところだった。
今ごろは、枝垂れ桜を見に多くの人がそのあたりを
徘徊しているだろう。
行くなら、人の少ない三月の半ばくらいが一番いいような気がする。
ところで、この建物はそもそもどういう建物かというと、
保田與重郎の住まいであった。
夫人が亡くなられた後は、
ここで歌会をしている短歌会の人を中心に管理しているようだ。
詳しくは知らない。
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岡崎の書店で、
『西東三鬼全句集』(角川ソフィア文庫)を購入。
昨年の暮れに出されている。
この本によると、
有名な「水枕ガバリと寒い海がある」は、
第一句集『旗』にある。
昭和10年の項にある「三章」の3句のうちの1句にある。

・小脳をひやし小さき魚をみる
・水枕ガバリと寒い海がある
・不眠症魚は遠い海にゐる

解説は小林恭二。
自筆年譜、初句索引、季語索引を
備えていて、お買い得の一冊。




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