FC2ブログ
坪内祐三さんの『昼夜日記』を読み進めると、
オリンピックによって、東京の風景がどんどん
変化してゆくことに、どうにも我慢できないという
怒りが噴出するページが増えてくる。
追悼文のあちらこちらに、
坪内さんが怒りやすくなったことを書いている方たちがいたが、
坪内さんは、東京という愛する都会の風景が
オリンピックによって壊されてゆくことに、
どうしようもない怒りをため込んでいたのだろう。
風景が変わることを良しとする人もいるが、
坪内さんは、自分の身を引き裂かれるような思いで、
東京オリンピック開催決定後の
東京の街をクルージングしていたのだ。
とても辛いクルージングだったろうと思う。

pagetop
「本の雑誌」4月号を読んでいる。
じっくり少しずつ。
もちろん坪内祐三さんの追悼特集を。
1月13日に亡くなられた。
短歌の世界とはほとんど関わりはない方だが、
とにかく古本屋好き、雑誌好きというところで、
ある程度は読んできた。
特に日記物はほとんど読んでいる。
今追悼の意もかねて『昼夜日記』を読んでいる。
川口則弘という方が作った年譜も掲載されていて、
母親の泰子さんが、
井上通泰の孫ということを知り、びっくり。
井上は、明治時代の国文学者であり、歌も詠んだ。
弟は柳田国男である。
森銑三先生が明治の歌人で
最も評価したのは、井上通泰である。
斎藤茂吉などは、
森先生は嫌っていたようだ。
森先生が茂吉を嫌うのは何となくわかる気がする。
話を「本の雑誌」に戻す。
瀬尾佳菜子さんの追悼文を読んで、
少し悲しくなった。
どうも坪内さんは、この時代と折り合いを
つけるのに疲れはてていたようだ。
だから、すぐ癇癪をおこす。
何も「猫目」のママにまで癇癪をおこさなくてもと、
私のような読者が言っても詮無いことだが。
ただやはりもう少し生きてほしかった。

pagetop
『十二国記』ロスで、
今年に入って、まだ一冊も読了していない。
わが人生でもこんなことはいまだかつてなかった気がする。
今日昨日購入したばかりの島田潤一郎の『古くてあたらしい仕事』(新潮社)を読み終えた。
島田氏は、夏葉社という出版社を一人で切り盛りしている。
夏葉社の本には、私小説系の作家の本が多いので、
ぼくも何冊かは持っている。
中でも『庄野潤三の本 山の上の家』は、これからずっと
大切に持っていたい本の筆頭である。
もちろん歌集以外で。
島田氏がなぜ夏葉社という出版社を起こすに至ったかが
丁寧に書かれている。
起業を考えている人たちには興味深い内容だと思う。
しかし、いわゆる起業の範疇には入らない内容なので、
お金儲けをしたいレベルの人は読まないほうがいいだろう。
本当に自分の力で回りの人を喜ばすことをしたいと考えている
人なら、ぜひ読んでほしい本だ。

最後のほうに、
庄野潤三家の人々が登場してくるが、
ここがぼくにとっては一番うれしい。
庄野の小説の登場人物のモデルとなった人たちの
生きる姿が描かれているのだから。
庄野潤三ファンにはぜひ読んでほしい。
ぼくは迂闊にもこの本が昨秋出されていたことを知らず、
昨日手に入れたこの本は3刷だった。
やはり昨年の秋はひたすら『十二国記』を読んでいたから、
こんな大事な本が出されていたのに気づかなかったのだ。
でも、両方とも新潮社というのも、なんだか不思議な感じだ。

pagetop
「週刊文春」の1月30日号を見ていたら、
「ベストセラー解剖」欄に
稲垣栄洋氏の『生き物の死にざま』(草思社)が取り上げられていた。
何と現在5刷で六万部出ているとのこと。
動物学的知識を駆使した、
しかも生き物の健気に生を全うするさまを描いている所が人気の理由なのだろうか。
読者の6割が女性とのこと。
稲垣氏は、静岡大学の大学院の教授。
植物関係のエッセイ集を何冊か出している。
しかし、稲垣氏が短歌を詠むことは知られていない。
もちろんペンネームを用いている。
最新作を一首。

・透明な光が積もる草の上 からすあげはの命消えゆく

やはり「命」が詠まれている。


pagetop
「市場の古本屋うらら」の店主宇田智子さんが、
『ビッグコミックオリジナル』2020年1/5号に、公設市場と首里城のことを書いている。
首里城焼失後の、那覇の現在についても触れている。
特に首里城周辺の店舗がかなり厳しい状況に陥っているとのこと。
マスコミは、その時だけしか情報を流さない。
定点観測ということはしないようだ。
宇田さんは、ブログも書いているので、
そちらも多くの人に読んでほしい。
もちろん宇田さんの本も読んでほしい。

pagetop
プロフィール

スズタケ

Author:スズタケ
FC2ブログへようこそ!

カレンダー
03 | 2020/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -