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近藤芳美の『無名者の歌』の頁を繰っていて驚く。
この本は「朝日歌壇」で近藤が選んだ歌から
500首程度を新たに選び直して、
テーマごとに並べたもの。
出版社が新塔社というのも驚き。
昭和49年6月20日第一刷。
驚いたのは次の歌。

・「憲法」を読みつつ泣かゆ幸福はここになお今なお記されいたり

作者は、日賀志康彦。
歌集には未収載。

こんな歌もある。

・星を追う大赤道儀の鏡筒に露霜置きぬ指痛きまで

作者は、杉崎恒夫。

さらにこんな歌もある。

・わが犬は豆腐積み行く土手に沿い暁の瀬をしぶきて走る

作者は、松下竜一。

「朝日歌壇」に投稿後、
歌人としての道を歩みはじめた方達が、
たくさんいることを、
今回この本を読み返して分かった。
ちょっと遅かったかなという気もするが。
あとがきで、近藤芳美は、
掲載については、作者に確認してないなどという
現在ではありえないようなことを
平気で書いている。
著作権についてゆるい時代の
証明みたいな本でもある。



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「歌壇」4月号購入。
柏崎驍二さんの連載「うたを磨く」が始まる。
今回のテーマは、「型式を守る」。
いかにもコスモスの歌人らしいテーマ。
でも、当然ですね。
型式に対して、安易な妥協をしている歌人は、
結局駄目だと思う。
もちろん、字余り厳禁なんて、
杓子定規なことは、
柏崎さんは決して言わない。

この号には、
狩野一男さんの「シャント」12首も
掲載されている。
もちろん、小島ゆかりさん、
田宮朋子さんの連載も。
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卒業式

2013/03/14

今日は、愛知淑徳大学の卒業式。
毎日文化センターの講義を終えた後、
会場の国際会議場に向かう。
会場に近づくにつれ、
袴姿の女子学生がどんどん増えてくる。
そして、会場に入った途端、
袴の圧倒的な群れに、気圧される。
一般教職員は、
モニターのある部屋で卒業式を見る。
式が15分程度延長して終わった後、
それぞれの会場に移動して、
学位記の授与を行う。
わが短歌ゼミは、
幸い全員出席していた。
これで、
大学院に進学するHさん以外の人とは、
ほとんど会う機会はないだろう。
2年間一緒に短歌の勉強をしてきたが、
すべて思い出となってしまった。
まさに一期一会。

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3月10日付けの「朝日」の読書の頁の
「思い出す本忘れない本」欄は、
南伸坊さんが担当していて、
何と森銑三先生の
『新編 物いう小箱』(講談社文芸文庫)
を取り上げている。
これは嬉しい。
最近は、森先生の本も出ないし、
森先生自体も話題にならないので、
残念に思っていたので、とにかく嬉しい。
しかし、この『新編 物いう小箱』も
すでに絶版というのは、悔しい。
2005年の3月10日だから、
丁度8年。
今日の出版事情では仕方のないことなのかな。

ところで、同じ「朝日」の「人」欄では、
大口玲子さんが取り上げられている。
若山牧水賞を受賞したからであろうが、
昨日発表のあった芸術選奨の新人賞も
同じく『トリサンナイタ』で受賞している。
めでたいことだ。
この歌集は、多くの人に読んでもらいたいと思う。
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「塔」3月号の歌集探訪に、
狩野一男さんの『悲しい滝』が取り上げられている。
評者は三浦こうこさん。福島県の方。
気持ちのこもった評が書かれていて嬉しい。
狩野さんの歌集は、
「うた新聞」の3月号にも取り上げられている。
こちらの評者は、何と小高賢さん。
タイトルが「もう、大丈夫!」。

ところで、
「塔」3月号の編集後記で、
永田和宏さんが、
104歳の新入会員について書いている。
うーん、凄いとしか言いようがない。
でも、これからは、
100歳を超えた新人は、
どんどん現れるような気もする。
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日記好き

2013/03/06

とにかく人の日記を読むのが好きなため、
他の著作は全く読んだことがないのに、
日記なら購入してしまう悪いくせがある。
ということで、西村賢太の日記本を購入。
題がすごい。
「一私小説書きの日乗」。
「いちわたくししょうせつかきのにちじょう」と
ちゃんと読めますか。
書いてあるなかで、
何時に起きて、何を呑み、何を食べたかについては、
必ず書いてある。
それから出版社の誰と一緒だったかもすべて書いてある。
このあたりは、ちょっと偏執的。
小説家なのだから、
小説家が登場するのではないかと期待したが、
ほとんど登場しない。
というより、どうも小説家が嫌いなようで、
話題にしたくない感じ。
特に嫌いな小説家は登場するが、
名前は明かさない。
しかし、ただ一人だけ登場する作家がいる。
嬉しいことにぼくも大好きな作家だ。
その件のみ紹介する。

会場で、先輩作家として敬している佐伯一麦氏に、
丸四年ぶりにお会いする。こちらの体のことを
心配して下さり、大恐縮。

この会場は、野間三賞パーティー会場。
帝国ホテル。

ということで、ぼくにとって価値があったのはここだけ。
1450円(税別)がもったいないような気もするが、
日記本を集めているので致し方ない。
そうそう、肝心なことを書いてなかった。
日記の書き出しは、
平成23年3月7日。
つまり大震災の4日前。
大震災については、それほど触れていない。
しかも、3月11日は日付すらない。
あえて載せなかったのだろう。
そして、終わりは
平成24年5月27日。
これ以降は、
別のサイトでまだ続行中とか。
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