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訃報

2013/10/31

夕刊を見て驚く。
何と藤井常世さんの訃報が載っている。
享年72歳。
いくら何でも若すぎる。
なぜか最新歌集の『鳥打帽子』をいただいていて、
藤井さんの歌はこれからどんどんよくなるのではと
思っていたところなのに。
特に父君の藤井貞文氏の登場する「鳥打帽子」
一連20首は、心をうたれる歌が多かった。
少し挙げたい。

・すすき原ほほけ初めたる山のなだり 父あゆみゆく わが歩みゆく
・うち靡く仙石原の穂すすきに見え隠れ父の鳥打帽子
・あきらけく晴れたる秋は 帽子投げ受け止めてあそぶ帽子の遊び

釈迢空、岡野弘彦とつながる歌であることは
一目瞭然。
特に一首目の歌は。

それにしても、これから更に
境地を深めんとされている方の
急逝は残念でならない。
何だか、短歌の世界は、
どんどん寂しくなってゆくようだ。
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歌の友

2013/10/29

宮柊二の『藤棚の下の小室』にこんな歌がある。

・歌止めてゆくをとどめしこと無くて一人二人を常に偲べり

歌の世界から離れる人に対して、
どう振る舞えばよいのかよく分からない。
しかし、宮先生のように振る舞うしかないのかなと思う。
偲ぶしかないのだろう。
止めてゆく人には、
止めてゆく事情がある。
その事情に対して、
多分ぼくはただ立ち尽くすしかないのだ。
事情というものに分け入ることはできない。
なぜなら、歌以外の点では、
ぼくは赤の他人に過ぎない。
短歌という細い糸でこれまで
つながっていたのだから。
その人がここまで
苦しい状況を乗り越えて歌を続けてきた
ことに対して、
ぼくはご苦労さまでしたとしか言いようがない。
そして、
ぼくは、
偲ぶ人の数を増やしてゆくしかないのだろう。
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第29回太宰治賞受賞作。
作者はオーストラリア在住の岩城けいさん。
新聞等の書評で話題になっていたので、
しばらく前に購入し、読了。
今年読んだ小説の中では、一番感動した。
村上春樹の話題作より、
読後感はよほどいい。
芥川賞候補になってもいいと思う。
生きること、
言語というもの、
そして、生きることと言語との関わりというものを
考えさせてくれる。
すぐれた小説を読みたいと思っている方には、
お奨めです。ぜひ読んでみてください。
ぼくにきっと感謝します。

なお、「ちくま」11月号には、
岩城さんへのインタビュー記事が掲載されています。
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10時より、毎日文化センター。
これまでの受講者で、
今日から一人しばらくお休みになるとのこと。
逆に今日から参加の方も。
短歌はゼロからの出発とのこと。
とりあえず三ヶ月やってみるとのこと。
13日の三重の短歌大会の案内をする。
「未来」の佐伯裕子さんの講演があるので。
何と受講者の方で、
「未来」の方は、全員佐伯さんの選歌欄に所属されている。

外大の三限のクラスの学生が、
後期になって来ない。
心配だ。今日でもう3回欠席となる。

帰宅は6時を過ぎる。
もうすっかり暗い。
しかし、暑い。
冷房を入れていない居間は、
30度を超えている。
可児市にいる妹が
母の面倒を見に来てくれている。

ノーベル文学賞は、
やはり村上春樹ではなかった。
下馬評のみというのも何だか。
受賞する可能性があるのだろうか。

三鷹の続報がニュースでは続いている。
宮英子さんのお住まいの近く。
ということは、編集部の方達は、
現場近くを通られたかもしれない。
京都から殺しに行ったという青年の
情念には何が宿ってしまったのだろうか。

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誤植

2013/10/04

論創社の「出版人に聞く」シリーズに、
嬉しい一冊が加わった。
題して「名古屋とちくさ正文館」である。
話すのは、もちろん古田一晴さんである。
ぼくがちくさ正文館へ通い始めて数年後に
古田さんはアルバイトとして入り、
その後正社員になった。
だから、古田さんの語る内容は、
どれも懐かしいものばかりだ。
それで、内容はいいのだが、
一つだけ困った誤植がある。
非常によくある例なのだが、
短歌に関わっているぼくとしては、困る。
春日井建さんが何度か登場するのだが、
徹底して誤植なのだ。
つまり「春日井健」になっている。

「ちくま」10月号の
「絶叫委員会」で、穂村さんが、
春日井さんの自己紹介を紹介している。
もちろんこの誤植に関わってのものだ。
春日井さんは、こう自己紹介したそうだ。

「人でなしの建です」

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