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7月31日

2014/07/31

今日は、毎日文化センターの今月3回目。
正確に言えば、お盆にできない分を今日行う。
最初の話題は、
今話題沸騰中の柳原白蓮が
昭和6年に蒲郡の竹島で献詠したという話。
続いて、こんな本を短歌の教室で紹介する人は絶対いないと思うが、
草野真一の『メールはなぜ届くのか』を紹介する。
「デジタル」ということがどういうことなのか分かるためには、
最適な本だと思う。
二進法がコンピュータの基本であることを
短歌を勉強する人にも分かってもらいたいと思ったが、
ちょっと無理かな。
だいたいこの本が「ブルーバックス」のシリーズと言っても、
どなたも「ブルーバックス」そのものをご存じなかった。
何せ理系の新書のシリーズですからね。

さらに江戸雪さんの最新歌集を紹介。
第五歌集『声を聞きたい』。
こんな歌を紹介する。

・ひそやかに自由が自由をころしゆくその法案は今日可決され

秘密保護法案のことです。
こんな歌も紹介。
この歌を見つけてえっと思った。

・「あんたなんか」と言われた日もある その声は椿の照葉のようにきれいで

「裕子さん」と題する一連中の歌。

帰りに三省堂で、
大島一洋さんの書いた『介護はつらいよ』を購入。
一洋さんは、「未来」の大島史洋さんのお兄さん。
ご両親の介護のために中津川に移住し、
悪戦苦闘の日々をあまり重苦しくはせずに書いている。
だから、とても読みやすい。
もう三分の二は読んでしまった。
そうそう、北村薫の新刊も購入。
こちらは山登りの本。
読みたい本がどんどん増えてきてどうしようかしらという状態。
読書の夏が来た。

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駅前のジュンク堂で
『親子の時間』を購入。
「庄野潤三小説撰集」という副題がつけられている。
庄野潤三ファンには堪らない一冊。
今時珍しい造本で箱入り。
装幀は和田誠。
個人出版社で、良い本を出し続けている
夏葉社から出された。
編者は岡崎武志さん。
巻末に「庄野潤三作品に流れる「家族のリズム」」と題する
エッセイが載せられている。
まあ、内容は、編者による後記。
このエッセイの出だしを見て驚いた。
何と河野裕子さんの歌が引用されている。
この歌。

・朝に見て昼には呼びて夜は触れ確かめをらねば子は消ゆるもの

この後、岡崎さんは次のように書いている。

「これは人気歌人・河野裕子の歌。親が子を思う気持ちを、ここまで
直截に、みごとに謳いあげた作品を私は他に知らない。」

短歌が小説の撰集の後記に登場するというのは、名誉なことだと思う。
夏の読書に好適な本がまた一冊増えて、
本当に困ってしまう。
読みたいがはたして読む時間がこれから確保できるのか。
大学の方は先週前期がすべて終わったが、
まだ控えている仕事がいくつかある。
というより押し寄せてくる。
なかなかハードな夏休みになりそうだ。
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今朝の「中日」の一面を見てびっくり。
高野さんの写真が掲載されている。
俵万智さんも。
何事か。
見出しを見る。

「いまあることをなかったことにできるのか」

「詩歌で批判、6人の作品」

そしてよく見ると「再稼働を問う」とある。
分かった。
「中日」が「再稼働を問う」という特集を組んでいるが、
その一環として、6人の作品を掲載したのだ。
掲載面は、14面、15面。
つまり見開き2頁。
しかもバックのカラー写真は、被災した福島の光景。

高野さんは「毒性発電」題する4首を載せている。

・海べりの処々に原発を隠しいてウランの臭う平成列島
・原子炉の毒性発電停止して今にっぽんは〈平静〉列島
・神の手が都市の灯りを消してゆき月下に咲(ひら)く泰山木の白
・電力の〈おもてなし〉終え原発はたんに巨大な〈毒の城〉となる

なぜか現代仮名遣いですが、
多分新聞社の要望でしょう。
より多くの方達に読んでもらいたいという意思表示でしょう。
この4首は、新聞の要請で詠まれたというより、
今までずっと高野さんは、原発の歌を詠んできたわけで、
それらの作品を読んでいれば、
この4首もその延長線上にあることは自明でしょう。
確認されたい方は、拙著『高野公彦の歌世界』を読んでいただければと思います。

高野さん、俵さん以外の方は、
アーサー・ビナード、和合亮一、湯川れい子、若松丈太郎。




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「現代短歌」8月号の特集は、「結社の力Ⅱ」。
巻頭の評論を高野さんが書いている。
題して「〈言語遺産〉のリレー」。
高野さんは、結社の役割について次のように書いている。

「私は自分の所属するコスモスを念頭に置きながら言うのだが、
一つは道場としての役割、もう一つはサロンとしての役割、である。」

「道場」は納得、「サロン」はどうか。全国大会がそうなのだろう。
「棧橋」だと分かりやすい。
批評会が「道場」、その後の懇親会が「サロン」。
しかし、その「棧橋」も年内には活動を終える。

文章の後半で、50年以上コスモスの会員として今も
参加している人数が記してある。
何と117名。
すごい数だ。
ただ愛知支部だと、該当するのは2名くらい。
因みにぼくは、
まもなく41年目に入る。
まだまだひよこのようなものかな。
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間違い探し

2014/07/16

今野寿美さんの新歌集『さくらのゆゑ』が届いた。
あとがきなるものがない。
最後の頁にこう書いている。

『さくらのゆゑ』は十番目の歌集です。
三百四十二首を収めました。

まさにすっきりさわやかな、夏向きの言葉ですね。
いかにも今野さんらしい。
ところで、相変わらずの間違い探し。
見つけました。
今野さんが宮柊二の故郷堀之内を訪れた際の一連
「おもひのほか」の中にありました。

・長者盛・久保田・八海山・吉野川 よろこぶひとを置きて来にけり

お酒の銘柄ですので、
やはり「吉乃川」ですね。
かつて吉川宏志さんの歌集にも
同じ誤記がありました。

ところで、この一連にはこんな歌があって楽しいですね。

・人影にいまだ会はぬに堀之内町内〈そばや〉といふ寿司屋あり

・菊なますもつてのほかではないらしく〈おもひのほか〉とつつましき嵩

今野さんの歌集は歌を読むことが楽しくなり、
さらに歌を詠むことが楽しくなってきそうです。
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坂井修一の新刊歌集『亀のピカソ』の
5月15日の日記部分に次のような記述がある。

「学士会館で現代歌人協会公開講座。
今日のテーマは、「身体を歌う」。
登壇者は、篠弘、東直子、駒田明子、坂井修一(司会)」

もちろん「駒田晶子」が正しいですね。

最近届いた「たまゆら」45号の
前号作品評の担当者のところを見て驚いた。
横山未来子さんが担当しているのだが、
結社名が「コスモス」となっている。
一瞬よろこんだが、
まさかそんなことはあるまい。
多分勘違いでしょうね。

駒田さんも横山さんも
「心の花」の大切な歌人だ。


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コスモスの仲間の福士りかさんのブログが
7月に入って快調なペースで更新している。
最近は、詩の引用が多いが、
短歌の引用も以前は多かった。
絶妙の引用で、
どうしてこんなにうまく引いてくることができるのかと
いつも感心していた。
ところで、
先日は「たにし」が話題になっていたが、
福士さんがタニシを見たことがないというのは驚き。
例の茂吉の歌も、
やはり現物を見たのと見ないのでは違うのでは。
青森には、タニシは棲息していなかったということは
ないと思うが、
少し謎めいている。
ただ、ぼくは、タニシは当然
ごく日常的な世界で見てきたが、
実はタニシを食べたことがない。
あの形状は無理。
だから、
サザエも食べない。
エスカルゴだけは、
白馬乗鞍のペンションのシェフが
どうしてもというので、
数回食べたことがある。
おいしいと思ったことはない。

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「しんぺんこまし」6号が届いた。
今号の特集は漫画ということで、
「漫々漫画論」というタイトルになっている。
昨年ぼくの授業に出ていた学生たちが、
何人も書いているので実に嬉しい。
特に今回は、
お笑い芸人の道を歩み始めた森君が
登場していて嬉しい。
お笑いのネタ作りと四コマ漫画とをからめて
書いている。
なかなかいい文章を書く。
少しでも、テレビなどに出れる機会をもらえるといいのだが。
昨年の秋一度だけ森君がCMに出ているのは見たことがある。
さて、
ぼくも書いている。
題して「私の好きな漫画家達」。
つげ義春と高野文子を話題にしたが、
結局のところ、
つげ義春の話題に終始してしまった。
この二人についてだったら、
何枚でも書く自信がある。

とにかくこの雑誌はいい。
これからどんなふうに変化してゆくのか、
楽しみでならない。


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月光仮面

2014/07/09

午後より桑名市の公民館で
「短歌の物語」という講義の第3回を行う。
その途中の話題で、
広辞苑の第6版には、
「ウルトラマン」という言葉が載せられているという話をした
そのついでに、「月光仮面」はどうかなと
ついもらしてしまった。
そうしたら、受講生の方が
すぐに「載ってますよ。」と教えてくれた。
「月光仮面」も載っているんだと
改めて感心した。
ところで、
「ウルトラマン」が載っているのを知ったのは、
佐々木健一の『辞書になった男』(文藝春秋)という本に書いてあったから。
副題が「ケンボー先生と山田先生」とあるので、
二人の辞書編纂者について調べたものと分かる。
内容はかなりスリリングで、読み応えがある。

講義の途中から雷雨になってしまったので、仰天。
傘を持っていかなかったので。
ヤフーの天気予報では、「くもり」とあり、
それを信じたために持っていかなかった。
考えが甘かった。
公民館の傘を借りて帰る羽目になってしまった。

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じぃじぃ

2014/07/08

大学時代の友人からメールが届いた。
ぼくが祖父になったことへの反応。
彼もすでに満二歳の孫がいる。
それで、書いてあったのは、
自分をどう呼ばせるかということ。
ここからは、彼のメールの無断引用。
こんなことが書いてある。

「一般には、じぃじぃ、と呼ぶらしい。
それが嫌な気がして、ジェイジェイ(JJ)と呼ばせることにした。
もう2歳だけれども、ちゃんとジェイジェイと呼ぶ。」

ぼくとしては、ふーんとしか言えない。
こだわりの人間だから、
さもあらんという感じ。

さて何と呼ばせるか。
でも、「ジェイジェイ」はない。
まあ、「じいちゃん」でいいか。
とは言っても、もう少し先のこと。



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