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「短歌人」に所属する三島麻亜子さんの
第一歌集『水庭』を読む会に参加した。
会場は金山駅のすぐ近くで、
参加者にとってはありがたい。
ゲストとして発言するメンバーが
なぜか全員中日歌人会の役員、委員。
1時半から4時半まで充実した会だった。
東京から奥田亡羊さんが参加していて驚く。
ぼくは初めてお目にかかる。
栞文を書かれている関係で来られたみたいだが、
とにかく三島さんの歌が好きで仕方ないという感じ。
何せ懇親会でも三島さんと歌集を開いて語っていた
くらいだから。
三島さんは郡上在住。
ただあの郡上踊りで有名な郡上八幡ではなくて、
大和町に住む。
古今伝授の里として名前が知られるようになった町である。

7時半過ぎに散会。
流れ解散という感じも、
いかにも短歌人らしい。
そして、短歌人の会合に出るたびに、
ぼくは青柳守音さんのことを思い出す。
そして、永井陽子さんのことも。
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高野公彦さんと出久根達郎さんとの対談が
実に読み応えがあった。
短歌ネタだけでなく、
話題が豊富なところがよかった。
特に橋本夢道という俳人の話題は、
ぼくがまったく知らなかったのでありがたかった。
高野さんは、筑摩の『日本文学全集』の『現代俳句集』で
読んだというから本当に驚き。
そして、その俳句が凄い。
例えば。

・うごけば寒い
・無礼なる妻よ
・毎日馬鹿げたものを食わしむ

自由律俳句なのですが、
山頭火より凄い。
エピソードもいろいろあって面白いが、関心のある人は、
どうぞこの雑誌を手に入れてください。

さて、本題は、
大島史洋さんの書いた田井安曇さんへの追悼文。
「田井安曇のこと」と題する追悼文には、
田井さんの他に近藤芳美、岡井さんが登場する。
そして、この三人に対して大島さんがどのような
位置取りをしていたかが書いてある。
大島さんはこの三人との関わりで
自分がいかに人間関係の作り方が下手か述べている。
ということは、大島さんがそういう点で器用であったら、
もっと違う立場に大島さんはいたような気もする。
ただ、その場合、果たして「未来」はどうなっただろう。
今日のような「百貨店」にはなっていなかっただろう。
この追悼文でぼくが一番ショックを受けたのは、以下の箇所である。

「近藤、岡井、田井、この三人はそれぞれにまったく交流のない存在に
なってしまったように思える。私がそれに気づいたのはつい最近のことで、
自分の不明を恥じるばかりである。」

まあ、こんなふうになってしまったのは、
ぼくの独断では、近藤さんが決して本音を言わなかったからだと思う。
本音を言うとややこしくなるんで、
それが面倒で近藤さんは口を閉じていたのではなかろうか。
つまり、近藤さんは、結局最後まで、
「未来」がどうあるべきかについては言わなかった。
一番最初は「未来」は「実験劇場」だという言挙げをしたが、
それ以外には何も言わなかった。
「火中の栗を拾う」タイプではなかった。
田井さんと岡井さんは拾うタイプだ。
だから、一緒にやってもよかったが、
決定的な意見の相違があったから無理であった。
大島さんは、拾わないほうだと思う。
しれっとしている。
でも、最後に近藤さん側について、
岡井さんに嫌われたというから、
そういう点では、拾うほうなのかな。
だが、「未来」は、
そろそろまた拾う人が必要になってくるのではなかろうか。
火中の栗を拾えば、やけどをするから気をつけなくてはならない。
大島さんは、やけどをしたのかもしれない。




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「文藝春秋」6月号に岡井さんが書いている。
新聞の広告のタイトルに惹かれて買ってしまった。
こんなタイトルです。
「宮内庁御用掛が明かす
佳子さまの和歌の素養」。
このタイトルを読めば、買う人は多いのでは。
しかし、読んでみると、
佳子さまに関わる記述は、
7頁ある中の1頁ほど。
他は陛下をはじめ他の皇族方の
お歌についての記述で。
まあ、これは一種の羊頭狗肉ですね。
そして、岡井さんが一番書きたかったのは、
御用掛続投宣言なのです。
選歌等かなり仕事は削ったが、
なおしばらく御用掛は勤めるという
意思表示です。
つまり、後任を託せる人が見あたらないから、
自分がやるしかないということです。

それにしても、佳子さまを出汁にして、
購読者を増やそうとは、
何ともあざとい商法です。
まあ、ビジネスの世界なら当たり前のことかな。
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打ち合わせ

2015/05/25

午後、名古屋駅の金の時計で、Uさんと待ち合わせ。
15階へ移動し、打ち合わせをする。
3時半過ぎには、Hさんも合流。
それぞれ8月中には何とか出せないかと
願ってはいるが、
果たしてどうだろう。
今後の進捗次第としか言いようがない。
終了後、少し移動して、
軽く一杯。
その後、散会。
Uさんは新幹線。
Hさんは名鉄。
ぼくは東海道線。
東海道線は、1時過ぎからの不通の影響が続いていた。
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失念

2015/05/16

松村正直さんの今日のブログを読んでいて、
とんでもないことに気づいた。
一応15日が締め切りになっている原稿を
全く書いていないことに気がついたのだ。
あわてて書き出す。
30分足らずで三分の一は書けたから、
何とかなりそうだ。
それにしても全く忘れていた。
怖い、怖い。
松村さんのブログの「締切、締切、締切」という文章を
読んでいて気づいた。
松村さんに感謝しなくては。
気づかなければ、来週早々電話が
かかってくることになっただろう。
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浅野梨郷顕彰短歌大会の応募歌数が確定しました。
124首です。
120首を超えてほっとしています。
投稿されたみなさまに感謝申し上げます。
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さらに安立さんの歌を紹介します。
『この梅生ずべし』の歌です。
「馬鹿げたる」の歌は、正真正銘の名歌です。
それから、「金にては」という歌は、何というか、
とにかく辛辣な歌ですし、真実というものは、
こういうものではないでしょうか。
宮柊二先生も登場します。

・階下の老婆はわが姓も名も覚え難しと言ひていつよりか「お二階」と呼ぶ
・他の弟子よりも優れてゐしならずやユダは自ら縊りて死ねり

・馬鹿げたる考へがぐんぐん大きくなりキャベツなどが大きくなりゆくに似る

・病むわれがたまたま悪態をつくときに生きてゐる感じが鋭く顕ち来る

ある人の言葉、おのづから歌になりて
・金にては幸福は齎されぬといふならばその金をここに差し出し給へ

・日本挽歌を読み了りたり服を脱ぎ寂しさびしと思ひて眠りぬ
・晩春の岡山駅に柊二先生を待つ間の長く逢ふ間短し
・掘立小屋より出で来し女は容赦なく秋の河に子を入れて洗ひぬ
・車窓に来る青田に草を取る農婦人知れず生き且つ死にゆかむ
・われが何を欲してゐるかをわれは知る雲吹き散りし夜半の星空
・押売の閉めてくれざりし戸を閉めに出できて平手打の如き陽を浴ぶ
・この世界の崩さるる日のいつか来るや独り居れば今日の雲ぐぐと湧く
・努力さへしてをればよしといふものにもあらずパセリを刻みつつ思ふ
・唄もなく田草を取れる農婦らの前後に飛びて燕が光る
・とりかへしのつかざる皺をふかく刻みし手がつと伸びきて吊革握る
・コンクリートの塀にガラスの破片を植ゑ親しみがたきさまに人棲む
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安立スハルさんの経歴を記しておきます。
『現代短歌大事典』掲載のものです。
なお、「安立スハル」の項目の執筆者は、小生です。

◎安立スハル(一九二三・一・二八~二〇〇六・二・二六)
 京都市東山区山科御陵山ノ谷生まれ。一九四〇年、府立桃山高等
女学校卒。四〇年から四四年まで大丸京都店に勤務したが、最初の
二年ほど勤めて、後は肺結核のため休職。四四年から四六年まで、
伏見警察署保安課勤務。四六年秋頃から四九年春まで洋裁店経営。
四九年四月、肺結核再発。以後長年にわたって療養生活を続けた。
五二年に岡山に移り住む。四一年、「多磨」に入会。
四九年、宮柊二に初めて会い、指導を受けるようになる。五三年、
「コスモス」創刊に参加。第一歌集『この梅生ずべし』を一九六四年に刊行。
     (三省堂『現代短歌大事典』より)
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安立スハル

2015/05/14

昨日から、桑名の大山田公民館での講座が始まった。
昨年に引き続き年6回の講座。
第一回の昨日は、
コスモスの大先輩安立スハルさんにの作品について語った。
そもそも「安立」が読めないのでは。
「あんりゅう」と読みます。
この姓は、源義朝の命名によるものだといことが、
安立スハルさんの第一歌集『この梅生ずべし』の「あとがき」に
書いてあります。
また、「この梅生ずべし」も義朝の発言とのこと。
源義朝は、愛知県の知多半島の野間まで流れてきて
土地の豪族の長田父子によって謀殺されたのですが、
安立スハルさんに関わる話は、
野間の前の美濃でのこと。

では、『この梅生ずべし』の歌を少し紹介します。
どうかお読みください。

・わがまぼろしの中に歩めるモンテーニュは帽子をあみだにかむりつつ行く
・亡き父のかきましし絵ぞ書画展にてためらはずわれは買はむとぞする
・茫然を持ちて見まもる一つ蝿あるがままなるいのち生きゐる
・鎮痛剤射ちてしばらく安らげば春の蚊のこゑききとめにけり
・いまわれの臥せる位置にて五年前父が逝きしとふと思ひたり
・春燈の真下の卓にひと枝の椿しづもれり今日賜はりて
・三十年を貧しき絵描きに添ひし母がざつくばらんのもの言ひをする
・病みしよりはくこともなきわが靴ををりをり母が手入れする見つ
・体弱きカントが八十迄生きしこと節度を守りしことを今日知る
・寿岳先生に対ふ心にてわれは読む賜びし「ブレイク」を今日とりいでて
・わが生にあたかも似つつなめくぢの鈍く這ふときたまらなくなる
・神は無しと吾は言はねど若し有ると言へばもうそれでおしまひになる
・キリストとキリスト教とはちがふことわが言へり間の抜けし会話と思ふ
・生の上に無くても済まし得るがらくたを絶えず捨てをれど絶えずふえ来る

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追加あり

2015/05/13

締め切りは昨日でしたが、
今日も詠草が届きました。
消印有効と考えていますから、
特に問題はありませんが。
ということで、
詠草数は、114首となりました。
これなら、何とか120首を超えるのではないかという
気がしてきました。
考えが甘いかな。
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