最近うれしかったことがいくつかあります。

まず、先日、外国語大学のスクールバスに乗ろうとしたら、
係の方から、「中日新聞見ましたよ」と言われたこと。
例の加藤治郎さんの連載のことなのですが、
夕刊だし、ぼくなど、月に二回程度バスに乗るだけだから、
顔を覚えてもらっているとは思わなかったから、
うれしかったですね。

もう一つは、コスモスの仲間から、
11月号に書いた「描写する力」について、
ほめていただいたこと。
しかも、何人かの方たちから。
「展望」という時評欄の文章なのですが、
この担当もあと二回を残すのみとなったので、
かなり暴走気味だと思いつつ書いてしまいました。
ところが、意外に評判がよくてうれしいですね。
実際、これまで100回以上書いていると思いますが、
こんなに直接ほめてもらったことはなかったですね。

そして、もう一つ。
短歌の総合誌を出しているある出版社から、
もう20年以上、原稿依頼がなかったのですが、
何と先日原稿依頼が。
まあ、根が単純ですので、
素直に喜んでいます。

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「短歌」12月号の「歌壇掲示板」の「創刊」の項に
以下の記述あり。

「棧橋」の後継誌として、平成27年10月10日
「灯船」が創刊された。発行人は桑原正紀氏、
編集人は鈴木竹志氏。

こういうことを予想しなかったので、びっくり。
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『読書少年』の書誌に触れていなかったので、書きます。

・歌数  439首
・頁数  199頁
・昭和58年8月25日発行
・発行所 石川書房
・コスモス叢書 第211篇
・題名は宮柊二先生による命名
・題簽も宮柊二先生

なお、奥付の住所は久慈市寺里34-44となっている。
多分、この住所は、久慈地区の教職員公舎ではないかと思われる。
勤務先は久慈高校か。
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昨日に続き『読書少年』の歌。

・雪みちを来たる女のおぶひたる子が半纏のなかに歌へり
・叱られて泣く子の声すつぶつぶのはこべの花に日のてるまひる
・夜の雪をくぐるごとくに帰りきて頬赤き子を抱きさし上ぐ
・留置場に父置きわれを産まむとせし母の心を思ふときあり

二首目の歌は、本当にいい歌。はこべもこんなふうに詠んでもらえて
嬉しいだろうな。

四首目の歌には、「父、柏崎栄。生活主義教育運動活動家として
治安維持法違反容疑で検挙さる。昭和十五年。」という長い詞書き
が付けられている。つまり、お父さんが留置場にいる時にお母さんは
柏崎さんを産んだのだ。
柏崎さんの反骨精神は、父親譲りということなのだろう。
そう言えば、名古屋へ来られた時、こんな話をしてくださった。
ぼくなどには、無縁な話であったが、
柏崎さんは夏休みに文部省の研修に県から
筑波大学に派遣されたことがあったとのこと。
その時、提出を求められた課題は、すべて手書きで
出したと笑いながらおっしゃった。もちろん、他の県の
先生方は、ワープロである。ただ一人手書きの課題を
出し続けられたのだ。
 この話をお聞きして、ぼくは柏崎さんという歌人の根っこには、
かなり激しいものがあるのだなあとつくづく思った。
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今日から少しずつ、
柏崎驍二さんの第一歌集『読書少年』の歌を紹介してこうと思う。
もうこの歌集を手に入れることは、きわめて難しいから。
まず、結婚して、最初の子供が生まれ、育てている時期の歌。
睦夫人は、三重県の尾鷲の人。縁あって、岩手の柏崎さんと一緒になられた。
4首目の「やうやく北の人ならむとす」は、感慨深い。
それにしても、柏崎さんの初期の歌は、本当に美しい。
写真に再現できたら、素晴らしいだろうと思う。

・ひとつ灯の下なるわれと妻が影汝が故郷も父母も知らず
・汝が国の常緑樹また羊歯群は行き見むいまの病越えよ
・夜の雪を見むと出でたる妻が歌ふ尾鷲須賀利の保育園の歌
・かたはらに子を眠らせて眠る妻やうやく北の人ならむとす
・林檎園の明るき木下わが抱くみどり児は風に眼をしばたたく
・春の雪睫毛にふれて融くるとき瞬きをなすわれのをさな子
・母待つと雪にたたずむ幼子の手はわれよりもはやく冷えゆく
・子をおぶひ海より帰りくる妻の白き帽子がしだいに近し
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このところ、柏崎さんの歌を読み返している。
今は『四月の鷲』。
第四歌集。
こんな歌が実にいい。

・モンゴメリ読み飽かぬ子よきのふより黄色のゴムに髪を結はへて

何も言う必要はない。
こんな歌はどうか。

・薬草を煮る土瓶手に妻は言へり方代さんのより汚いね

「方代さん」はもちろん山崎方代。
実は次に記す詞書きがある歌。

山崎方代随筆集「青じその花」に「土びんの話」あり

さて、次の歌。
こういう思いにならないといけないと思うが、
道はまだまだ遠い。

・歌一首つくりて寝るは山径に木の実ひとつを拾ふ幸に似る

こんなふうに歌を詠むことができたらなあとつくづく思う。

こんな歌もある。

・歌書きて三十五年過ぎにけり大いなる徒(むだ)でなければよいが

ぼくももう40年以上、歌を詠んでいる。
柏崎さんの場合は、歌は「書く」のだ。
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昨日少し触れた「コスモス岩手」第247号に
柏崎驍二さんの作品が掲載されているので
その5首を紹介する。

・雨すぎし葡萄の棚のあをき実は滴々として青くしづくす
・夢に見し白き蛾にしてゆふぐれの庭に水撒くときまた飛べり
・この夏のさるすべり今日咲き出しぬ津波よりおよそ千五百日
・古びたる庭の木に来しひぐらしがかんかんと澄むこゑをひびかす
・偲ぶ会に友らつどふ日障子戸のあかりさびしき部屋にわが臥す

「偲ぶ会」はもちろん、宮英子さんを偲ぶ会のこと。
柏崎さんはいらっしゃらなかった。
睦夫人が代わりにいらっしゃった。
なお、この5首以外には、柏崎さんの書かれた記事等はなかった。
「歌壇」12月号には、
「ベッドにて」と題する20首が掲載されている。
入院中と知り、読むのがつらかった。
もちろん「コスモス」には、毎号5首掲載されている。
恢復を願うのみである。

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いろいろ

2015/11/20

中日新聞の朝刊の文化面に、
大阪の葉ね文庫のことが書かれている。
記者の野村さんは、大阪まで行ったんだ。
ぼくも行きたい本屋だ。しかし、ちよっと遠い。
野村さんは、何と5時間もいたとのこと。
それだけ魅力のある本屋ということなのだろう。
余計に行きたくなった。

淑徳の今日の授業は、吟行。
といっても、大学内吟行。
題して「淑徳の秋」を詠む。
20名出席で、一人3首以上提出。
ということは、60首以上、多分70首は越えている。
さらに、メール参加ありにしているから、
もう少し増えるかな。
来週は、この吟行作品の講評を行う。

昼食は、Kさんと。
短歌関係の話題を中心にのんびりと。

帰宅後、すぐに大府の文化施設に行き、
友人に歌集を渡す。
それから、印刷会社へ行き、注文したものを受領。

「コスモス岩手」が届いている。
編集が柏崎さんから、吉田史子さんに完全移行。
吉田さんの奮闘ぶりがうかがわれる雑誌になっている。
しかも、宮英子さんの追悼特集を組んでいる。
小回りがきくんだ。羨ましい。

夜は、「灯船」の次号の原稿依頼をする。
もちろんメールで。
24首詠と歌集評は、何とか終了。
もう少しあるが、明日にしよう。
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「塔」11月号が届いた。
鹿児島大会の記録が掲載されている。
その中で永田和宏さんの「作歌のヒント――世界をまるごと感じていたい」
と題する講演の記録を読んだ。
この講演で高野さんのエピソードも語られている。
黒川能を見に行った時に、
泊めてもらった宮司さんの家の襖に歌を書かなくては
ならないことになり、佐佐木幸綱、馬場あき子、永田さんが
書いたのだが、高野さんは酔っぱらっていて寝ていた。
それで翌朝、次の歌を書いたとのこと。

・くつくつと湯どうふ煮ゆる音きけば美女恋し なあ湯どうふよ

ところが、書いたものを見ると「くつくと」になっていたから、
指摘した。後は引用で読んでもらう。

「高野さん、「つ」が一つ抜けてるよと言うと、さすがに高野公彦大物
ですね、あ、そうと言って、吹き出しで「つ」を入れちゃった。全国に
襖の歌ってのはたくさんあると思うけどね、吹き出しのある歌ってのは
ここにしかないと思いますね。」

確かに、高野さん、すごいと思う。
しかし、この話にはさらに落ちがある。
襖に書いた詩は、歌集の歌とは異なっている。
歌集の歌はこう。

・湯どうふよ わが身は酔つてはるかなる美女恋し なあ湯どうふよ

「美女」は「びんぢよう」と読む。
この歌は『水行』の37頁にある。



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吟行会

2015/11/15

今日は、コスモス短歌会愛知支部の歌会の日であるが、
定例の歌会を吟行会に変更した。
吟行の場所は、
東山動植物園。
子供たちが保育園に通っていたころに行ったきりだから、
20数年ぶりに。
実に懐かしい。
10時正門前集合で、
参加者は10名。
2時間ほど園内を回ってから、
園外のファミレスで昼食をしつつ、
三首選や自歌自注等を交えて、
本日の作品について語り合った。
高点歌はこの歌。一見奥村晃作風。

・飼育員のつるしし葉つぱ食ふきりん首伸ぶるときしつぽ下指す

「つるしし」は「つるせる」では、
うるさいことを言うのが小生であった。

2時間園内を回ったが、全然時間が足りなかった。
特に「世界のメダカ館」は感動もの。
時間があればずっといたかった。
メダカを飼っている、高野さんにぜひ見てもらいたいと
痛切に思った。
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