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角川短歌賞

2017/10/30

角川「短歌」11月号に第63回角川短歌賞が発表されている。
受賞作には特に惹かれるものはなかったが、
次席のカン・ハンナさんの「膨らんだ風船抱いて」はよかった。
特にこの歌。

・カバンには天神さまのお守りと石より重い広辞苑さま
           
 誰しもこの歌には驚くだろう。一つは、カバンに広辞苑を入れて
いるということ。広辞苑はカバンに入れるものではない。机や
本棚に置いておくものである。
長く教員生活を送ってきたが、広辞苑をカバンに入れている
学生にはお目にかかったことがない。
今の学生は、普通電子辞書を持っているのだが、
多分カンさんは、高額な電子辞書は持てず
、紙の広辞苑を使わざるをえないのであろう。
それにしても「広辞苑さま」と「さま」をつけているのだから、
そのリスペクトぶりは大変なものがある。
日本人よりよほど広辞苑を信頼している。
それにしても毎日毎日カバンに広辞苑を入れて大学に
通うというのは、とてつもないことだなあと思う。

そしと、もう一つは「天神さまのお守り」。こちらも驚きである。
日本人なら「天神さまのお守り」はごく当たり前の受験用の
アイテムである。受験を控えた生徒、学生は、挙って天神さまを
祀ってある神社にお参りに行く。
しかし、カンさんは、韓国人である。それでも「天神さまのお守り」を
大切にしているというのは、
それだけ日本文化へ共感を寄せているからであろう。
日本の大学で学位を取得するために必死に勉強している
カンさんにとって、「天神さまのお守り」は欠かせないものなのであろう。

カンさんは、今回が二回目なのかな。
二回目で次席なら、
来年は俵万智さんが三回目で受賞したように、
ぜひ挑戦して栄冠をと思うのは、ぼくだけではないだろう。
来日6年でこれだけの短歌を詠めてしまうというのは、
とんでもないことだと思うから。
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「短歌研究」11月号が届く。
特集一の「わたしを励ましてくれる、この一冊、この言葉」に執筆。
題は「我といふくらきかたまり」とした。
もちろん、『汽水の光』の
「あきかぜの中のきりんを見て立てばああ我といふ暗きかたまり」に
関わる内容である。

この号に、島田修三さんの「水噴くごとき」20首が掲載されている。
哀切きわまりない20首である。
それ以上は、私には言葉が浮かばない。
いや、言葉をもちいるすべがないというのが、
正しいだろう。
諸兄姉の感想はいかならん。

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装画

2017/10/19

『高野公彦インタビュー ぼくの細道うたの道』(本阿弥書店)が届いた。
待ち望んでいた一冊なのでとにかく嬉しい。
あちこち開いていて、
装画が水上比呂美さんであると知った。
人名を用いて、その人名にあたる人物の顔かたちを
描いているのだが、なかなかのアイデアだなと思う。
さて、ここからが本題、
小島ゆかりさんが1999年にやはり
本阿弥書店から出したエッセイ集『蛍の海』にも
装画の担当者の名が記されていることに先日気がついた。
二人の名前が記されている。
横井直子さんと横井明子さん。
ここまで書けばもう気付かれたと思う。
横井直子さんは、小島なおさんの本名である。

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短歌行脚

2017/10/13

今週の火曜日から、短歌行脚という状態。
火曜日。コスモスのO先生賞の選考会に出席。
     会場は、東京の神保町の事務所。
水曜日。午後桑名の公民館の講座に出席。
      前日の疲れが幾分残っていたが、
      話しはじめたら消えていった。
      オノマトペの話をメインに。
木曜日。午前は毎日文化センター。午後大学。
金曜日。午前、午後大学。
土曜日。午後東浦の歌会。
日曜日。午前中村図書館で歌集について話す。
     名古屋市短歌会館所蔵の歌集を中心に。
     午後はコスモスの支部歌会。
月曜日。コスモスの勉強会。

こんな状態。もちろん、大学の授業もすべて短歌中心。
まさに短歌行脚。
   
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