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逢妻

2018/04/27

塔短歌会の若山浩さんの第一歌集『水脈』(青磁社)を
見ていたら、こんな歌があって、嬉しくなった。

・逢妻は妻の実家に近き駅妻に逢ひしはその地にあらず

ぼくの家は、逢妻駅から徒歩5分。ということは、
若山夫人は、多分ぼくの中学の先輩だと思う。
逢妻駅近くの人が行く中学校は一つしかないので。
それにしても、下句は洒落ていますね。
昨年81歳になられたとありますが、
実に若々しい歌です。
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ベト七

2018/04/05

今日の朝日カルチャーの詠草に、
「ベト七」という言葉が出てきて驚きました。
多分ベートーベンの交響曲第7番だろうとは思いましたが、
いくら何でも「ベト七」はなあと話していたら、
ある人が早速検索して、
「のだめカンタービレ」で使われていましたよと
教えてくれました。
そういうことか、こんなふうに言葉は伝播してゆくんだなあと
つくづくと思った次第です。
でも、「ベト七」はどうもなあ。

それからある方の詠草にこんな歌がありました。

・夏の甲子園が終わり春のセンバツが過ぎても未だ「モリカケ」

リズムがとんでもなく変なのですが、
ちゃんと31音になっています。
受講生の中で一番若い人の歌ですが、
最近の20代、30代の歌人と似たところがあります。
こういう歌を短歌として認めたくないという人もいるかもしれませんが、
ぼくは認めますね。
多分、こういうリズムは、個性ではく、
時代の要請なのではないかという気がします。
かっこよくいえば、
時代が新しいリズムを生みだしてゆくということです。

ところで、全然関係ない話ですが、
加藤治郎さんが中心になって進めている
6月2日のイベントですが、
もうキャンセル待ちだそうです。
驚きました。
百数十名は入れる会場のはずですが。
ひよっとして歌人達は、
イベントに飢えていたのだろうかと思いはじめました。
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身余堂

2018/04/03

先頃亡くなられた直木賞作家の葉室麟の随筆集
『柚子は九年で』(文春文庫)を読んでいて、驚いた。
「身余堂」と題するエッセイがあるのだ。
葉室はこの住居を一人で訪ねたことがあり、
それを一文にしたのだ。
京都の鳴滝のあたりにこの建物はある。
ぼくは二度訪れたことがある。
一度目は、外から眺めただけ。
二度目は、そこで行われた歌会に参加した。
二回とも友人の誘いで出かけた。
何とも言えない風情が外観にも、庭にも、
そして家の中にも漂っている建物だ。
時間の感覚がなくなってくる。
閑静な住宅街を抜けたところにあり、
静かな落ちついた雰囲気にみちているところだった。
今ごろは、枝垂れ桜を見に多くの人がそのあたりを
徘徊しているだろう。
行くなら、人の少ない三月の半ばくらいが一番いいような気がする。
ところで、この建物はそもそもどういう建物かというと、
保田與重郎の住まいであった。
夫人が亡くなられた後は、
ここで歌会をしている短歌会の人を中心に管理しているようだ。
詳しくは知らない。
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鶫書房

2018/04/03

先日、以前ながらみ書房に勤めていた為永憲司さんから
挨拶状が届いた。
何と鶫書房という、歌集歌書を中心とした出版社を
はじめるという内容だった。
短歌関係の出版は、
過当競争的な現状なのに、また一人そういう世界で
頑張ろうという人があらわれたのだ。
その勇気に敬意を表するしかない。
なお、鶫書房の「鶫」はロバート・ブラウニングの詩に登場している
鶫にその由来があるようだ。
鶫というと、ぼくは吉本ばななの小説の題名を思い出す。
ぼくは、吉本ばななの小説は、
「TUGUMII」しか読んだことはないが。


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