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「合歓」84号の久々湊さんのインタビューの相手は、
宮崎在住の志垣澄幸さん。
いろいろ興味深い話題が語られていて、楽しく読んだ。
志垣さんご自身もこのインタビューで語っているが、
国語教師として、吉川宏志さんを三年間教えたことは
よく知られている。
宮崎県立大宮高校に勤務されていたころとか。
このインタビューでそうだったのかと思わされたのが、
志垣さんを角川「短歌」の編集長をしていた冨士田元彦さんに
紹介したのが、塚本邦雄さんだったということ。
それで「短歌」の新鋭作家特集「青の騎手たち」の一人として
初めて「短歌」に作品を発表することができた。
この前岡井さんの『歳月の贈物』という歌集について
書いた時にも、塚本邦雄さんの手配について
触れたが、塚本さんは、あちこちで他の歌人達の面倒を見ていたようだ。
塚本さんの作品のことはずっと話題にされているが、
どうも人柄についてはあまり語られていないような気がする。
ぼくは、岡井さんが九州への逃避行ののち、
愛知県の国立病院の勤務医として、
復活を遂げていく過程で、
塚本さんはかなりいろいろ岡井さんの面倒を見ていたような気がする。
でも、岡井さんはそのことにはあまり触れていない気がする。
これは、ぼくの単なる思いこみなのだろうか。
ぼくはもう岡井さんについて、原稿として書くことはないが、
どなたかこういう領域で書いてほしいものだ。

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「梁」96号が届く。
10連休中だから、郵便は全く届かない。
27日に届いて、次は2日。
でも、クロネコは届く。
今日は5通ほど届いた。
上村典子さんの時評「日録風に」は
いろいろ考えさせられる内容が多く、刺激を与えられた。
歌会のこと、結社の教育などについて。
さらに、最後に触れた森下典子の『日日是好日』からの引用は
ぼくも納得させられた。というより、そうだよなと嬉しかった。
その部分を借用させてもらう。

「生きにくい時代を生きる時、真っ暗闇の中で
自信を失った時、お茶は教えてくれる。『長い目
で、今を生きろ』と。」

焦っても仕方ない。分かる時には分かる。
それまで待つしかない。
それまで何とか生きるしかない。
そう、ぼくは読んだ。
慌てない、
慌てない。
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昨日は愛知支部の歌会。
この時期はみなさんいろいろと忙しいので、
例年出席者は多くない。
出詠者は14名。
そのうち欠席が5名。
当日出詠が2名。
ということで、参加者は11名。
歌会を始める前に、
当然入会希望者があらわれて、
しばらく対応。
なかなか意欲的。
歌会は4時近くまで。
高点歌は、この歌。

・見えねども街ぢゆう花粉まみれなりまぶたほたほた重たく歩く

ぼくは「歩く」よりは「歩む」のほうがいいのではと発言。

終了後、近くの喫茶店へ。
さの後、ぼくは平和園に向かう。
五時過ぎに到着し、
小坂井くんにいろいろお願い。
それから、ある理容店について、
小坂井くんに尋ねたところ、
平和園の前の道を駅とは反対方向に行けばあると教えてくれる。
確かにぼくが探していた理容店があった。
お客さんがいなかったので、
中に入って挨拶する。
この理容店は、
叔母夫婦が戦後始めた店で、
もちろん叔母夫婦は他界。
跡継ぎ夫婦が今も現役で店を開いていることを知った。
ぼくは小学生のころに一度だけ来たことがある。
昭和30年代の初めころかな。
戦後のこのあたりは、子供が行くところではないと
親たちに言われたおぼえがある。
叔母夫婦がなぜこのあたりに店を開いたのか。
今となっては聞くすべはない。
叔母は店が休みの火曜日に時々来てくれた。
何の用事かなと思っていたが、
その真相については、妹が教えてくれた。
そんなことがあったとは、ぼくは全く知らなかった。
なかなか豪快な方で、
ぼくは随分可愛がられた記憶がある。
叔母夫婦には、子供がいなかったから、
ぼくや妹を可愛がってくれたのだろう。



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新鋭短歌シリーズのラストとして、
小坂井大輔くんの『平和園に帰ろうよ』が出された。
自分の店の名前を
歌集の題に入れてしまうところが、
いかにも小坂井くんらしい。
巻末の加藤治郎さんの解説を読んでぴっくり。
何と小生の名前も登場している。
ぼくがしたのは、
平和園に置かれているスケッチブックに
即詠を何首か書いただけなのたが。
しかも紹興酒をしこたま飲んで、
酔っぱらったまま書いているので、
素面の時に読み返すと、何とも情けない歌の数々ではある。
しかし、この証拠物件は、
平和園に行けば、誰でも読めるのだから、困ったものだ。
まさに自業自得としか言いようがない。
どんどん古希が近づいてくるというのに。

高校生活を詠んだ歌が、
元教員としては、面白く読んだ。

・黒板消し一度も落ちてこない教員人生なんてあるのか

確かにぼくも経験している。
ただドアに挟んであるので、
わざとらしく黒板消しが当たらないように教室に入った。
仕掛けた生徒にとっては、
嫌な教員だったろう。
他には、出席簿の下に、あやしげなものが置かれていたこともある。
今の高校生は、そんないたずらをして、
教員に対して鬱憤をはらすということはしないだろうな。

ぼくは、この歌集を青春賛歌として読んだが、どうだろう。




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わけあって、
岡井さんの『歳月の贈物』を書庫から出してきて、
頁を繰ってみた。
何と1首組み。
装幀は、政田岑生さんだった。
前歌集の『鵞卵亭』も政田さんだ。
ということは、
この歌集の作成には、
塚本邦雄さんが大いに関わっていたのだ。
この歌集が出されたのは、
1978年。
40年以上経って、
ようやくぼくのような者にも、
事の経緯というものが分かるわけだ。
まさに「歳月の贈物」と言えよう。

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一太郎

2019/04/16

「短歌研究」4月号の「平成じぶん歌」の最終回に
穂村弘さんも出詠している。
題して「一太郎」。
この題で、「そうか」と反応できる人は、
もうかなり少ないだろう。
こんな歌がある。

・僕はまだ一太郎です気がつけば花子はどこかへ消えてしまった

穂村さんが「一太郎」を使っているというのは嬉しい。
当然ワードを使っていると思ったので。
ぼくは、パソコンを使いはじめたのが、
35年近く前だが、
それ以来ずっと「一太郎」を使っている。
念のために言えば、
「一太郎」はジャストシステムが開発したワープロソフトの名称である。
確かに「花子」というソフトもあったなあ。
デザイン系のソフトだったかな。
「三四郎」というソフトあった。
結局生き残ったのは「一太郎」だけのようだ。
今更ワードは使えないので、
何とか「一太郎」には生き残ってほしい。
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さきほど、コスモス短歌会の新ホームページについて、
内容はまだ充分でないと書きましたが、
そんなことはないですね。
例えば、ぼくが3月号に書いた「後藤美子論」は、
全文見ることができます。
6頁にわたる割と長い評論ですが。
しかも、PDFですので、
どうぞ、プリントアウトして読んでみてください。
それと、選者及び元選者は、
月集スバル欄に所属しているのですが、
この欄に所属する人の作品は、
3月号、4月号のものは、
読むことができます。
ということは、
拙作も、日本全国の方たちに、
読まれてしまうのだ。嗚呼。
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コスモス短歌会の新ホームページができました。
1月の選者会議の際、
何人かの選者から、
他の結社のホームページのように、
専門家に依頼して、
見た人が、入会してみたくなるようなホームページにできないかと
いう意見が出されました。
費用のことがあるので、
ぼくは内心なかなか難しいのではと思っていましたが、
編集部の方たちが、
実現に向けて努力された結果、
できあがりました。
さきほど見ました。
内容はまだ充分ではありませんが、
見た印象はとてもいいですね。
多分、このホームページを見て、
コスモス短歌会に入ってみようかなという人は
かなり増える気がします。
どうぞ、このブログをのぞいているみなさん、
コスモス短歌会の新ホームページものぞいてみてください。

なお、グーグルでは、最初のページには出てきませんので、
下のドメインで検索してみてください。

Cosmostankakai.com

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始まる

2019/04/13

いよいよ大学の授業が始まる。
昨日は、「現代短歌」。
履修者名簿には、34名登録。
出欠を確認したところ、
4名が欠席。
ガイダンス的な内容ながらも、
かなり大切なことも話しているので、
初日欠席というのは、
どうかなとは思うが、どうしようもない。
名簿には反映されていないが、
履修希望の者が4名。
ということで、
今年の「現代短歌」は、
40名前後ということで例年並みの受講者数になりそうだ。
もう一つ、木曜日の3限の授業があるが、
こちらは、名簿の人数は、例年より多い。
授業の性質から、
20人前後が一番いいのだが、
こればっかりはどうしようもない。
30名を超えないことをただ祈るのみ。

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一白水成

2019/04/10

昨年の秋に出された玉井清弘さんの
第9歌集『谿泉』を読んでいたら、こんな歌を見つけたる

・秋田より一白水成届きたり辛口の酒陸奥かおる

少し驚いた。
3月の末に、東京から来られたUさんと飲んだ時に、
二人でこの酒を飲んだ。
すっきりした味わいで、どんどん飲めそうな酒だった。
この店では、今までおいていなかったので、
秋田の新しい醸造元のお酒かなと思ったが、
玉井さんの歌を読んで、そうでもないことが分かった。
玉井さんもこの酒を飲んでいることが分かって、
なぜか嬉しくなった。
さて、この酒を飲めるのは、いつだろうか。
初夏に飲むと、さらに美味しく感じられる気がする。
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