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今年は、昨年に比べてかなり更新回数が増えた。
少し生活に余裕が生まれてきたのかもしれない。
いろんな人がこのブログを読んでいるようだ
読んでいても、
特にこちらにメッセージがあるわけではないから、
読んでもらえているような気がするとしか言いようがない。
ただ稀にメッセージがあって、驚くことも何度かあった。
もうこういうスタイルでブログを書いている歌人も
かなり少なくなってしまったが、
もう少し粘ろうと思う。
というよりは、ぼくは基本的にこれといった取り柄のない
人間だが、粘りつづけることだけは自信がある。
そう簡単にあきらめるということもない。
粘った先に何かあるなどは
これっぽっちも思っていない。
ただ書くのが好きなだけだ。

今年読んでくれたみなさんありがとう。
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この一年を振り返ってこれはということを何かしたのか考えてみた。
講演を三回している。
4月に俊成短歌大会で。
7月に西三河国語研究会で。
9月は、恒例の朝日カルチャーセンターで。
後は20枚前後の評論を三篇書いた。
残念ながらこの三篇については、
その後の反応は乏しかった。
理由はわからない。
あまりに歌人の心の襞に分け入ろうとしたからかもしれない。

歌集作りに関わった。
2冊は無事刊行まで漕ぎつけた。
1冊は頓挫した。
断念すると連絡をもらってからは、何の音さたもない。
歌集を出すということは、
なかなかむつかしい面があることを今年は
しみじみ味わった。
もちろん手ほどきをして道を作ってあげた方からは、
感謝された。
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篠弘さんが「生き方から目覚める」という評論を書いている。
三人の女性歌人の歌集について、篠さんなりの読みを提示していて、
読み応えのある評論だ。
取り上げられたのは島本ちひろさんの『あめつち分の一』(六花書林)、
川島結佳子さんの『感傷ストーブ』(短歌研究社)、
大口玲子さんの『ザベリオ』(青磁社)。
篠さんが最終的に評価したのは『ザベリオ』。
思想性の強い歌集だが、生の実感とかけ離れた思想性ではなく、
今を生きる者の切実な思いから生まれる思想の姿を提示している
という評価ではないかと思う。
篠さんは昭和8年生まれだから、来年は87歳。
高齢の歌人が短歌の最前線にある歌集を読み、
その真価を語る姿勢はとにかく立派としか言いようがない。
精神の若さを見事にあらわしている。ぼくなどは、
篠さんに比べればひよっ子ということになるだろう。
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島田修三さんがこんな歌を詠んでいる。

・夜の更けをいたく優しく草臥れて広坂早苗の電磁波のこゑ

島田さんの歌には、「まひる野」の歌人がよく登場するが、
広坂さんは初めてかなという気がする。
激務にある広坂さんが、
愚痴を語っているのかなあと思うが、よくわからない。
しかし、「いたく優しく草臥れて」は、
まさに広坂早苗だと思う。
もう一首。こんな歌もある。
島田さんはやむをえず読むのだろう。
ぼくは読まない。

・つまらない歌集ななめに読み飛ばす一度きりなる人生の午後を

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「まひる野」1月号で広坂早苗さんがこんな歌を詠んでいる。

・明治期の鋼橋といふ御園橋ひづめの音の記憶もあらむ
・読むことは生きることなり黄落をふみて夕べの図書館に入る

地下鉄の丸の内の駅を出て、中日新聞社に向かうとき、
大きな交差点がある。その交差点を過ぎて渡る橋が御園橋である。
ということは、二首目の「図書館」は、愛知県立図書館ということになる。
中日新聞社の向かいが県の図書館なのだ。
図書館周辺の街路は、銀杏並木があり、
11月後半からは、この黄落が激しい。
因みに、ぼくは12月24日に、
中日新聞社に用事があって行った帰りに、
この県立図書館で調べものをしようと正面まで行った。
しかし、何と20日からシステム変更のために休館だった。
ショックだったが仕方ない。
歩いて名古屋駅まで帰ることにした。
円頓寺商店街をゆっくり歩くのは楽しい。
残念ながら本屋はないが。

そうそう肝心の広坂さんの歌について書いてなかった。
もちろんぼくが注目したのは「読むことは生きること」である。
そうだとしか言いようがない。
でも、「読むことは生きる」ことなのだ。


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「まひる野」1月号の編集後記欄で、
島田修三さんがこんなことを書いている。

歌を読むことは作ることよりも難しいかも知れない。
しかし、読む楽しさは作る歓びに劣らない。この楽しさ
を次世代に繋いでいきたいものだ。新年に当たっての
私の願いである。

同感である。歌を詠むことに汲々として、多くの歌人たちの歌集、
あるいは仲間の歌を読む余裕のない人が多すぎる。
自分の歌を理解してもらえない、評価してもらえないと
繰り言を言う人がいるが、
では、あなたは、仲間の歌を真剣にこれまで読んできましたかと
言いたくなる。
仲間の歌を心をこめて読むことができる人は、
そんな繰り言は言わないだろう。
一生懸命歌を詠んでいる人はたくさんいる。
でも、一生懸命歌を読んでいる人はどれほどいるのだろうか。


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昨日は、瀬戸市のパルティせとで行われた
第三回永井陽子短歌大賞表彰式に、講評担当者として出席した。
本来は小塩卓哉さんがされるのだが、
所要があって、ぼくが代理をつとめた。
一般の部の投稿は少なかったが、
生徒の部は3500人を超えていたので、
選歌はなかなか大変だった。
ぼくと小塩さん以外に、後藤由紀恵さん、野村まさこさんも加わって、
11月に選歌をした。後藤さん、野村さんは、瀬戸高校の卒業生で、
それぞれ歌集も出している歌人である。
つまり、永井陽子さんに続いて、
瀬戸高校出身の歌人が何人かいるのだ。
式の始まる前に、見覚えのある人がいたので、
手を振ったら返してくれた。
何とかつての同僚夫妻が来てくれていたのだ。
後で、話を聞いたら、この機会を逃すと、
もう会えないと思ってきたというのだ。
そんなことはないと思う一方、
そうかもしれないなとも思った。
それぞれ歳をとってしまうと、
音頭をとってくれる人がいなければ、
会う機会はないだろうなと改めて思った。
表彰式は盛会だった。
瀬戸には20数年ぶりに訪れたが、
また来たいという思いもわいてきたので、
来年のコスモス短歌会愛知支部の吟行会は瀬戸でやりたいなと思った。
それで、講評のとき、前ぶりの話の中で、
この話題を出した。市長さんもいらっしゃったので、
サービス面も考慮しての発言だったが、
かなり受けた。
一時間程度で終わったので、
野村さんたちと瀬戸電で栄町まで出て、
昼食をとった後散会した。
昨日の収穫は、瀬戸電にしっかり乗れたことと、
かつての同僚夫妻に会えたこと、
そして、やはり20数年以上お会いしてない
短歌の友人に会えたことである。
それと、これはびっくりだが、
ぼくがかなり推した一般の歌の作者から声をかけられのだが、
何と毎日文化センターの最初の年の受講者だった。
八年ぶりにお会いしたことになる。
いろいろな出会いがあった一日だった。


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転身

2019/12/20

昨日、中日新聞社の文化部の記者だったKさんから、
ハガキが届いた。
内容は、何と9月には退社して、
10月から「山と渓谷」の編集をしているとのこと。
意外な転身に驚いたものの、
本当にやりたい仕事を見つけたんだと、
エールを送りたくなった。
9年間の記者生活から学んだものを生かしての
編集者生活。きっと充実していることだろう。
望むらくは、
「山と渓谷」に山を愛した歌人たちを取り上げてほしい。
無い物ねだりかな。
現役の歌人では、
沢口芙美さんが、大の山好きだ。
ただ体調をくずされて最近は登っていないようだが。
とにかく、新生活に挑むKさんに
熱烈なるエールを送りたい。


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「市場の古本屋うらら」の店主宇田智子さんが、
『ビッグコミックオリジナル』2020年1/5号に、公設市場と首里城のことを書いている。
首里城焼失後の、那覇の現在についても触れている。
特に首里城周辺の店舗がかなり厳しい状況に陥っているとのこと。
マスコミは、その時だけしか情報を流さない。
定点観測ということはしないようだ。
宇田さんは、ブログも書いているので、
そちらも多くの人に読んでほしい。
もちろん宇田さんの本も読んでほしい。

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5日連続

2019/12/19

5日連続で名古屋へ出かけた。
生まれて初めての経験。
県立高校の教員時代は、
名古屋市内の学校には赴任したことがないので、
生まれて初めてとなった次第。

日曜日、コスモス短歌会愛知支部歌会
      欠席者多し。
月曜日、コスモス内の勉強会
      欠席者多し。
火曜日、中日新聞社文事業部
      突然の通告に驚く。新聞業界の厳しさをまざまざと見せられた。
水曜日、朝日カルチャー教室
      欠席者一人。藤島秀憲さんの新歌集について少し紹介。
木曜日、中京大学
      穂村弘短歌の登場の意義を語った。

という具合。
なお、明後日は名古屋へまた出かける。
日曜日は、瀬戸へ。
そして、火曜日は、また中日新聞社へ。
木曜日は、毎日文化センター。
いやあ、どうなってるのという日々が続く。

そういえば、今日は、現代歌人協会の総会及び忘年会の日。
そして、高野さんが表彰される日だ。
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