『鳥語降る』
2021/05/22
志垣澄幸さんの第14歌集『鳥語降る』を読み返している。
こんな歌がある。
・鉄塊のやうに重たき広辞苑二つに割りてそれから捲る
志垣さんは今も紙の広辞苑を使っているのだと知り、
少々おどろく。
ぼくはあんな重たいものをいちいち取り出して引くのは、
肉体的にも時間的にもマイナスと考え、
ひたすら電子辞書の広辞苑を使っている。
志垣さんは、体力的に自信があるのか、
それとも意地なのか。
ただ引くための工夫は多分あるのだろう。
その一つが「二つに割る」だ。
そうすれば、右か左かどちらかを捲ればいい。
志垣さんの歌は、発想がユニークで読んでいて、
そう来たかと思う歌が少なくない。
例えば、この歌などは最初何を詠んでいるのか分からなかった。
・びつしりと人間を孕める太き胴梅雨の晴れ間の高空に光る
「人間」は「ひと」とルビが振ってある。
繰り返し読むと、旅客機だと気づく。
こんな歌がある。
・鉄塊のやうに重たき広辞苑二つに割りてそれから捲る
志垣さんは今も紙の広辞苑を使っているのだと知り、
少々おどろく。
ぼくはあんな重たいものをいちいち取り出して引くのは、
肉体的にも時間的にもマイナスと考え、
ひたすら電子辞書の広辞苑を使っている。
志垣さんは、体力的に自信があるのか、
それとも意地なのか。
ただ引くための工夫は多分あるのだろう。
その一つが「二つに割る」だ。
そうすれば、右か左かどちらかを捲ればいい。
志垣さんの歌は、発想がユニークで読んでいて、
そう来たかと思う歌が少なくない。
例えば、この歌などは最初何を詠んでいるのか分からなかった。
・びつしりと人間を孕める太き胴梅雨の晴れ間の高空に光る
「人間」は「ひと」とルビが振ってある。
繰り返し読むと、旅客機だと気づく。