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佐伯一麦さんの『麦の日記帖』を読んでいる。
2018年に出た時に、すぐ買い求め、読みだしたのだが、
なぜか何度も挫折して、
読み通せないままだった。
どうやら、今回は、読み通すことができそうだ。
東日本大震災後の日々がつづられているが、
佐伯さんは、いつも静かに語っているので、
こちらも、何とかその声に耳を澄まして読む、
という感じだ。
佐伯さんは、雑誌や新聞にたくさん書いているのだが、
本になるスピードが速くないので、
ファンとしては辛い。
何とか今年は、
水辺をめぐって書いてきたエッセイを一冊にまとめてほしいものだ。
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また一つ貴重な雑誌が終刊を迎えた。
「銀座短歌」という雑誌だ。
2022年1月1日発行の第50号が終刊号。
「銀座」という語を冠してあるだけあって、
実におしゃれな短歌の雑誌だった。
一番の特長は、毎号銀座や銀座周辺の写真が掲載されていること。
そのために、紙質もとてもいい。
栗明純生さんの「あとがき」によると、
創刊は1994年11月。
巻頭エッセイで、伊藤 泓子さんが、
創刊当時のことを書いている。
超結社の歌会のメンバーで、
同人雑誌を出そうということになって、
歌会のリーダーで、「編集のプロ」の宮原包治さんが、
「年二回発行、毎号写真入り、表紙だけでなく中の用紙も贅沢なものにし、
「銀座短歌」という誌名にふさわしいもの」にしたいということで、
この実におしゃれな雑誌が刊行されるようになったとのこと。
味わいのあるこの雑誌が届くのを楽しみにしていたが、
もう次の号は届かない。
こういう寂しさを多分これからも
何度も味わうことになるのだろう。

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「塔」1月号の表紙には、さすがに驚いた。
色とデザインの両方で、ここまでやるかという感じ。
良いとか悪いということは、他の結社の人間が
口を出すことではないので、
率直に驚いたということだけ書いておく。
恒例の主宰の「年頭所感」では、
結社誌というもののとらえ方を、
「共有地」という概念で考えようという点は、参考になった。
この「共有地」という概念は、
内田樹さんの発言から導かれたとのこと。
結社誌が刊行されてゆくためには、
一人一人の参加意識が大切であるということだろう。
ただ作品を送り、選歌された作品だけを見ているだけでは
「共有地」の住人としては、どうだろうという問題意識でもある。
花山多佳子さんの歌に刺激された。
まずこの歌。

・コロナ感染始まりしより風邪ひかず風邪はみな感染るものと知りたり

確かに、ぼくももう二年風邪を引いていない。
マスクの日々だから、風邪のウイルスもシャットアウトしているということなのだろう。
昨年も一昨年も、医師たちが、
コロナとインフルエンザが同時に襲ってくると言っていたが、
インフルエンザの流行なんて話題はここ二年ない。
これも単純にマスク効果ということなのだろうか。

もう一首。

・とつぜんに感染者減るありがちなパニック映画の結末のごと

もちろん、これは第5波のこと。
本当に不思議だった。
なぜあんなに急速に減るのか。
このことについて、納得する説明をしてくれた専門家はいない。
もちろんぼくの狭い知見の範囲だが。
さて、今猖獗を極めている第6波はどうなのだろう。
やはり「とつぜんに」に減るのだろうか。
そうなることを願うが、なんとも分からない。

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昨日の「中日新聞」の夕刊に
加古陽治さんの「一首のものがたり」が掲載されている。
再開されたとのこと。
今回登場したのは、中西進さん。
中西さんが夜間定時制高校の教員時代に
詠んだ歌が紹介されている。
紹介されているのは、次の三首。

・電燈の毀れてあれば一と処暗きを避けて生徒らは席とる
・灯の下に向き合ふわれと生徒らに刃の如く鳴る遠き電線
・集い来し生徒らなべて疲れつつ眸があへば弱き微笑をかへす

一首目の「毀」は「こは」とルビが打たれている。
同じく「生徒」には「こ」とルビが打たれている。
三首目の「眸」には「ひとみ」とルビが打たれている。

さて、この三首の初出なのだが、
この手の文章では、初出は記されない。
理由はあると思うが、その理由をぼくは知らない。
中西さんはかつて「コスモス」で歌を詠んでいたので調べることにした。
調べた結果、この三首の初出は、
「コスモス」の昭和28年11月号に掲載されている。
ただし、三首目は、初出とはかなり違っている。
初出はこうなっている。

・生徒らはなべて貧しく疲れつつ眼があへば弱き微笑をかへす

かなり違う。それに「一首のものがたり」のほうの
「集い来し」は、仮名遣いが間違っている。
当然当時の「コスモス」の歌は歴史的仮名遣いなので、
「集ひ来し」となっていなくてはいけない。
なぜ間違っているのか。
単純に加古さんが間違えたとは思えないのて、
初出のままかもしれない。
となると、実はこの三首の初出は「コスモス」ではないかもしれない。
加古さんは、「コスモス」以外でこの初出に当たっている可能性がある。
というのも、中西さんは、「槻の木」にも所属し、出詠していたからだ。
「槻の木」については、
今のところ調べようがないので、これ以上、なんとも言えない。
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予言

2022/01/23

黒瀬珂瀾くんの第一歌集『黒耀宮』にこんな歌がある。

・語られてゆくべき大災害はひめやかに来む秋冷の朝

「大災害」には、「マグナ・デイザスタ」とルビが施してある。
さて、この「大災害」は、ひょっとしたら、
このコロナ禍のことではなかろうか。
ふいにこんな他愛もない思いが湧いてきた。
しかし、黒瀬くんには、預言者の趣もある。
なお、『黒耀宮』は、
2002年12月28日発行。
ながらみ書房。
担当編集者は、宇田川寛之さん。
序文は春日井建さんが書いている。
装丁は君嶋真理子さん。
イラストは竹田やよいさん。
何とも贅沢な歌集だ。
なお、奥付には、
黒瀬くんの住所が記載されているが、
履歴は一切書かれていない。

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「現代短歌」03号は、
「永田和宏の現在」という特集を組んでる。
まず「百舌逃げ百舌を百舌が追ふ」という
けったいな題の50首が掲載されている。
その中に、次のような詞書のついた歌がある。
まず詞書。

・新著『あの胸が岬のように遠かった』(新潮社)がNHKでドラマ化。
主演の俳優たちと飲む。

そして、この歌。

・五十年前の私と恋人と飲んでゐるなり息子と私

さて、河野裕子さんは誰が演じるのか。
永田さんは誰が。
興味津々。


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昨日小塩卓哉さんに「牧水研究」をいただいたことを書いたが、
そういえば、昨年の秋、
やはり小塩さんから「フランス短歌」の創刊号をいただいていた。
美帆シボさんを中心としたフランス在住の方たちの雑誌である。
それぞれの作品とエッセイが掲載されているが、
特にエッセイは読みごたえがある。
中でも美帆シボさんの「パンデミック下のフランス」は、
コロナ禍のフランスのクロニクルとして価値がある。
それから、一つ驚いたことがある。
それは齋藤紀子さんという方の
「田村キヨノさん」というエッセイである。
田村キヨノさんは、奈良の国立博物館近くにあった
日吉館という宿の主である。
ぼくは、かつて田村さんの声だけ聞いたことがある。
確か1973年の12月だったと思う。
冬休みに奈良へ出かけようと思って、
旅行雑誌をみていて、これはいい宿だと思い、
電話した。
応対に出た女性は、最初は一見は泊めないようなことを
言われたが、粘って何とか受けてもらった。
ところが、ぼくは奈良へ行かず、鎌倉へ行った。
その女性の応対がどうにも気になって、
宿へ行って、同じような扱いをされてもという思いからだったと思う。
しかし、今にして思えば、
当時ぼくのような若造が次から次へと
日吉館に電話していたのだと思う。
田村さんはまたかと思い、応対に出たのだろう。
齋藤さんの文章を読みつつ、
何と残念なことをしたのかと悔やむばかりである。
あの時奈良に出かけていれば、
また別の出会いがあったのになあと思う。
後悔先に立たずだが、
こんなことばかり繰り返していたのが、
ぼくの20代だったようだ。

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昨日は、二週間ぶりに大学に行く。
講義はすでに六日に終わっている。
主たる目的は小塩卓哉さんと会うこと。
小塩さんの研究室で一時間ほどあれこれ話し合う。
なかなか濃密な時間を過ごせた。
小塩さんから「牧水研究」の最新号の25号をいただく。
小塩さんの大学の後輩が執筆しているとのこと。
帰りの車内で読み始める。
興味深い論文が多くて、
これはいい雑誌をいただいたものだと、
感謝の念が沸き起こる。
吉川宏志さんも書いている。
「若山牧水の朝鮮の旅」と題で、
今回は前編。
それにしても、
これだけ多くの人が牧水について書き続けていることに
今更ながら驚く。
一言で言えば、
牧水の短歌の魅力、
そして、牧水という人間の魅力ということなのだろう。
この二点で、牧水は、
他の多くの近代歌人となにかが違うのだと思う。
ただその何かが、ぼくの場合は、
まだつかみかねている。
追い追い考えてみたい。
それから、この号にも伊藤一彦さんが、
若山貴志子の歌について書いているが、
初めて貴志子の歌を読むが、
とても晴れ晴れとした歌で、
こんな魅力的な歌を詠んでいたのだと、
吾ながら不勉強を情けなく思った次第だ。


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迂闊にも佐伯一麦さんの新刊が12月に出ているのを知らなかった。
ということで、先週名鉄百貨店に出店した
蔦屋書店で購入。
名鉄百貨店に書店が入ったことを知らないのか、
店内は閑散としていた。
佐伯さんの小説は、基本私小説なのだが、
今回は、少し趣が違う。
もちろん私小説という骨格は保っている。
題にある通り、
アスベストによって引き起こされた病気に苦しむ人々とその家族が
この小説の登場人物である。
公害であることは間違いないし、
しかも今後も次々と患者が出てくることを
この小説を読みつつ思わざるをえなかった。
佐伯さんは、すでにアスベストに関わるドキュメンタリー
『石の肺』も書いている。
この本は、息子の大学受験の付き添いで仙台に行った時に、
仙台の丸善で購入し、ホテルの部屋で読んでいた記憶がある。

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三回目

2022/01/19

本日かかりつけ医で、
ワクチン接種三回目を終える。
こんな早く打ってもらえるとは思っていなかったので、
予約がとれた時には、とにかく驚いた。
二回目までは全く副反応はなかったが、
さて、今回どうだろう。
因みに三回目もファイザーのワクチン。

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