往時茫々

2012/03/13

「プチ★モンド」76号が届く。
20周年記念号。
1992年の春、創刊号が出た。
なぜこの年に、
松平盟子さんは、雑誌を出すことになったのか。
巻頭の文章に、こう書いている。

「前年に所属していた結社を退き、作品発表の場や
ともに短歌を学ぶ仲間が少なくなったことが私の
背中を押したといえるでしょう。」

所属していた結社は、もちろん「コスモス」。
退会に到る経過については、
間接的にしか知らない。
本人から聞いたような気もするが、
覚えていない。
20年というのは、それだけの歳月だ。
ただ当時の印象では、
このままでは松平さんは「コスモス」にいることは
難しいだろうとは思っていた。
「旅の記憶」20首の中に、こんな歌を見つけた。
まさに往時茫々である。

・のんびりと単線電車にのりながら真冬の海の町を娘とゆく
・娘の胸に赤子あること刻印のごとき重量もちてなお生きよ

この娘さんのことを覚えているのは、
ぼくくらいではなかろうか。
世田谷の奥沢にある家に何度かお邪魔した。
独身で金銭的に余裕がなくて
泊めてもらった。
娘さんの名前は、翼。
ぼくにとっては、「つばさちゃん」だった。
弟さんの「しょうくん」はどうしているのだろう。
「しょうくん」ももう結婚したのかなあ。
「単線電車」は、
蒲郡から西浦へ向かう名鉄電車。
ということは、娘さんは、この沿線に住んでいるのかな。

本当にこんなふうに、
過去が目の前に浮かび上がってくる。
この20年、
それぞれが、
目の前のことに精一杯だった。
過去は過去でしかなく、
取り戻すことはない。
あの奥沢の家ももうないだろう。
借りていた家だが、
持ち主が寛大な人であったようだ。
大きな家だった。
だから、泊めてもらうのも、
そんなに遠慮がいらなかったのだろう。
まさに、
往時茫々。

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