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『日々に木々ときどき風が吹いてきて』

2023/03/26

川上まなみさんから、
『日々に木々ときどき風が吹いてきて』(現代短歌社)という
少し、いやかなり題の長い歌集が届いた。
若い人の歌集をいただいて、
すぐここに書くということはほとんどないのだが、
なぜかこの歌集はぼくには気になる歌集だ。

・生徒らは午後の国語をやりすごす雨に濡れてく景色を見つつ

ぼくは元国語の教員だから、こういう歌は分かりすぎるくらいわかってしまう。
特に評論を読んでいる時の窓の外の変化はつらい。
どう考えても、窓の外のほうが面白い。
まして、雪が降ってきたら、最悪だ。

・消しゴムを投げた生徒を見逃すか叱るか迷う三月の朝

若い時はこんなことはよくあったなあ。
誰が投げたかは、だいたい見当はついているのだが、
さて検挙するかどうかというと。

・雪の降る窓を背負っているような子の居眠りに静かに触れる

ぼくの場合は、居眠りしている子を起こすことはない。
まず周りの子をあてて、目覚めを誘う。
基本的に老獪な手段を使う。

・会うたびに「先生、ねむたい」という生徒の眠気をもらって戻る教室

確かにこんなような生徒は昔、よくいた。
どんなふうに返答したかは、
もうまったく覚えていない。
この歌集の学校に関わる歌を読んでゆくと、
高校の教員時代が懐かしく思い出される。
いいことも嫌なこともたくさんあった、
あの頃をついつい思い出してしまう。




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