朝日歌壇

2012/04/09

4月8日の朝日歌壇を見て少し驚く。
永田和宏さんが、
吉本隆明を詠んだ歌を5首採っている。
馬場さんも一首採っている。
高野さんは採らず。
佐佐木さんは、日本にいたら採っていただろう。
驚いたのは、まず採られたということ。
それから、こんなにも吉本を詠む人がいるということ。
ぼくの本音は、
吉本を詠んでほしくない。
詠むひまがあるなら、
吉本の本を読んでほしい。
特に次の歌には、カチンと来た。
最近は、好好爺然としてきて、
仏の何とかと言われているのだが、
この歌はいけない。

・読みもせず捨てもしないで四十年手もとに置きし『共同幻想論』

1970年前後の大学のキャンパスでは、
吉本の本はファッションアイテムの一つとなっていた。
これみよがしに『共同幻想論』を持ち歩く
女子学生がいたことを今も覚えている。
そういう学生に対して、
ぼくはいつも不快感をあらわしていたような気がする。
この作者も女性だから、
下酢の勘ぐりもかもしれないが、
そういう女子学生の一人ではなかったのではないかと思う。
でも「手もとに置きし」というのだけは、
よしとしよう。
そして、それならぜひ読んでほしい。
吉本の言う「自己幻想」「対幻想」「共同幻想」という
概念がどのように生まれてきたかを
読む時、創造の力というものの凄さを
身にしみて知ることになる。
考えることがどういうことかが
吉本の本を読むとよく分かるが、
特に『共同幻想論』は、
そこのところが本当に分かる。
もちろん、厳しい言い方だが、
読んでも分からない人は、
考えることがもうできなくなっているのだと思う。
だから、ぼく自身今読んで、
かつてのように理解できるかどうか不安だ。

それと、ぼくの場合は、
吉本を信用していいと確信したのは、
「マチウ書試論」である。
その中に用いられた「関係の絶対性」という概念が
当時のぼくの生き方に大きな影響を与えた。
今でも、この「関係の絶対性」という言葉を
眼にすると、
学生時代に抱いていたさまざまな悩みを
あっという間に解消してくれた瞬間を思い出す。



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