『地津震波』続

2012/06/26

『地津震波』の続きを挙げる。
なおこの歌集はもちろん自家版。
プリンターで印刷してホチキスでとめたもの。
佐藤さんの家は女川町にあった。
女川では高台にある家であったのに流されてしまった。
現在は仙台市太白区に。

・たまさかに高笑ひすれど眠剤に夜夜を縋れる妻の小さし

・血縁の九体いまだ浮かび来ず津波後十日の湾凪ぎたれど

・過去持たぬ一人の我を証明する紙一枚をおし頂きぬ

・頻脈に苦しむ妻を遠くより見さだめてをり余震のたびに

・睡眠剤飲んで四時間眠らせた体にしみる今朝の味噌汁

・「がんばるな」子らの電話のいくたびか頑張るしかない避難所暮らし

・浮かび来る遺体を捜す船いくつ鏡なす湾を左へ右へ

・着のままの身を伏せたれど眠り来ず三週湯浴みを知らぬからだに

・弥生末のもどりの寒さ耐へがたし千の死体のある町の朝

・愛でなし義務ですらなし義姉の遺体探すと歩く二十日経てまた

こうして書き写していて、
何かが自分のなかに生まれるものだろうかと
疑問に思いつつ
なおこうして書き写すしかないと
思い定めている。
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