独楽吟

2012/11/09

今日は淑徳の長久手キャンパスの日。
長久手への通勤の楽しみは、
NHK第一放送の「すっぴん」を聞くこと。
パーソナリティは高橋源一郎さん。
特に楽しみなのが、
9時半から始まる「源ちゃんのゲンダイ国語」。
毎回は、えっという話題が出てくる。
しかし、今日はまさにのけぞった。
何と橘曙覧(たちばなのあけみ)の「独楽吟(どくらくぎん)」。
何と和歌ですわ。
しかも、ぼくは、
先週の土曜日の四日市での講演で、
この「独楽吟」の話をしていたのである。
高橋さんの話でぼくが知らなかったのは
平成6年に、
天皇皇后ご夫妻が、アメリカを訪問されたとき、
歓迎式典で当時のクリントン大統領のスピーチで、
橘曙覧の「独楽吟」の歌が紹介されたということ。
つまり、当時の随行の日本人たちは、
ほとんど橘曙覧のことは知らなかったようだ。
何しろ、文献がほとんどないから無理なのだ。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を読んでいた人なら
あの橘曙覧のことなんだと驚いたに違いない。
当時の日本人がほとんど知らない江戸時代末期の
歌人の歌をアメリカの大統領が紹介するのだら、
まさに青天の霹靂というしかない。
それで紹介された歌がこの歌。

・たのしみは 庭に植ゑたる 春秋の 花のさかりに あへる時時

この他に高橋さんが取り上げた歌はこちら。

・たのしみは 妻子むつまじく うちつどひ 頭ならべて 物をくふ時

・たのしみは 珍しき書 人にかり 始め一ひら ひろげたる時

・たのしみは 頃にうかぶ はかなごと 思ひつづけて 煙草すふとき

・たのしみは まれに魚煮て 児等皆が うましうましと いひて食ふ時

・たのしみは 銭なくなりて わびをるに 人の来たりて 銭くれし時

・たのしみは 人も訪ひこず 事もなく 心をいれて 書を見る時

ということで、
この「独楽吟」は、
「たのしみは」で始まり、「……時」で終わるパターンの歌に
なっていることが分かる。

で、この放送を聞きつつ、ひらめいた。
今日の授業は短歌の創作。
一応今日のプログラムは用意している。
しかし、こういうチャンスはめったにない。
ということで、急遽今日の授業は、
「独楽吟」を読んで、このパターンの歌を詠むことに切り替える。
しかし、テキストはどうなる。
何も心配はいらない、大学の図書館には、
岩波文庫は揃っているはず。
ということで、大学に着くやいなや、
図書館に急行し、本を探す。
『橘曙覧全歌集』はちゃんとありました。
ということで、資料を作り、「たのしみは」の歌を
詠む授業を行う。
その成果を少し披露したい。

・たのしみは アルバイトからの帰り道 空を見上げて 星を見る時

・たのしみは ねむりに落ちる その前に 布団のぬくもり かみしめる時

・たのしみは 授業もバイトも ない朝に 時計無視して 二度寝する時

・たのしみは 買ったばかりの マニキュアを 深夜布団の 上で塗る時

割りに学生たちも楽しくできたようだ。

ところで、狩野一男さんの歌集の紹介、
好評なのに次が遅れています。
近日中にアップします。
お待ちください。









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