莫大小

2013/04/14

島田修三氏の第7歌集『帰去来の声』にこんな歌がある。

・莫大小に『山鳩集』はルビふらず髭あたりつつ懐ふたまゆら

『山鳩集』は2010年の6月に出された小池光の第8歌集。
島田氏が話題にした歌は、346頁にある。

・「莫大小」読めまい読んで読めたとしそれがなんだか君らは知らぬ

島田氏が懐ったのは、このような小池の口吻に対してであろう。
『山鳩集』には、特に顕著だが、小池の歌は、
理解できない者に対して媚びる気はさらさらなく、
逆に突き放してしまう歌が多い。
読者の限定である。
理解のための回路すら用意しない。
諦念なのかもしれない。
理解できない者に理解させるための努力を惜しむ気持ちなのかもしれない。
残された時間を啓蒙に使いたくないという意思表示とも言える。
それはさておいてこんな歌もある。

・椅子にゐて十五分ばかり眠りたれば一年ばかり時過ぎてをり

この歌もほんまかいなと思わせる歌であるが、ほんまのことかもしれない。
次の歌は、少しつらい歌だ。いろいろ考えてしまう。

・永井陽子の白い帽子をかぶるひと木の間の道を遠そき行けり

白い帽子をかぶった永井さんにぼくはかつて会っているはずだ。
あの夏はいったいいつだったのだろうか。


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