『雨を見上げる』

2011/07/13

久我田鶴子さんに『雨を見上げる』(ながらみ書房)を送っていただいた。
頁を繰っていて、こんな歌を見つけた。

・抜き取りしあとの暗闇とひきかへにふところにする『汽水の光』

『汽水の光』は、もちろん高野さんの第一歌集。
古書店で高野さんの歌集を見つけて、手に入れた時の歌なのだが、
単に嬉しいというのではないのかなと思う。
それは「暗闇」という言葉のせいだが。
自分が手に入れるより、
他の人の手に渡ったほうがいいのかなという思いがあるのだろうか。
でも、ふところにしたんだ。
一首前には、こんな歌もある。

・はみ出せる白玉書房を手に取れば誰が売りしか『意志表示』なりき

岸上大作の歌集である。
「誰が売りしか」とあるのは、
久我さん自身も岸上と同じ國學院の出身であるからだろう。
少し憤りに近いものがあるようだ。
小題は「古書店街」だから、
多分神田であろう。
神田でこういう歌集をすぐ見つけだせるのは、
田村書店くらいしかないと思うがどうだろう。

久我さんは30年高校教師を勤めた。
ぼくと同じ国語の先生。
ぼくは38年勤めたが、久我さんは早く退職せざるをえなかったようだ。
もちろん、退職後のほうが大変のようだ。
荷を負うことをやむなく自分に課して生きるタイプの人だ。
ぼくもそれに近いものがあるが、
久我さんほどの勇気はない。
だから、38年勤めてしまった。

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