「梧葉」42号

2014/09/30

「短歌総合新聞」と銘打った「梧葉」という季刊の新聞がある。
その42号の特集が「手放せない歌集わたしのベスト3」。
10名の方が執筆しているが、
その中にコスモスの斉藤梢さんがいる。
梢さんが一番に挙げたのが、
蝦名泰洋さんの『イーハトーブ喪失』。
蝦名さんは神出鬼没で、しばらく活動していないなあと思っていると、
突然消息が伝わってくる人だ。
多分歌集としてはあるのはこの一冊だけだと思う。
今後、全歌集を出すなんてことはないと思うが。
この歌集は、沖積舎から平成5年に出されている。
ぼくはこの歌集を拙著『同時代歌人論』の返礼としていただいた。
多分、佐藤通雅さんが間に入っていたような気がする。
今書棚からこの歌集を取り出してみたら、
何と丁寧な礼状が入っていた。
読んでみると、
岡井隆批判が主であった。
かなり鋭い岡井批判だ。
ぼくの『同時代歌人論』も
結果としては岡井批判だったので、
蝦名さんも反応されたのではないかと思う。
この歌集は、実に爽やかな歌集で、
歌しか載っていない。
あとがきすらない。
ただ別刷りのプリントが二枚入っていた。
この別刷りも蝦名さんの手製。
さて、蝦名さんの歌はどんな歌か。
少し紹介する。

・駆け抜けてなにを探しに来たのだろうここには砂の町があるのみ

・真夜中に開いててくれてありがとうほかに行くとこなくてコンビニ

・ランボーのその後の生に価する清い失語をしからずば火を

前衛短歌の影響をかなり受けていると思うが、
蝦名が詠みたかったのは、
前衛短歌を超える歌ではなかったかと思う。
その意欲が歌集全体にあふれている。
最近話題になっている若手歌人の歌集と比べてみて
遜色ないとぼくは思うがどうだろう。
この歌集刊行時の蝦名の年齢は分からないが、
多分30歳よりも若いのではないだろうか。
そのころから、
蝦名はずっと試行を続けているのであろう。

ところで、ぼくのベスト3は何だろう。
ベスト1は決まっている。
高野さんの『汽水の光』だ。
2は、宮先生の『多く夜の歌』かな。
3以降は迷うなあ。
一度考えてみよう。

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