続々 安立スハル

2015/05/16

さらに安立さんの歌を紹介します。
『この梅生ずべし』の歌です。
「馬鹿げたる」の歌は、正真正銘の名歌です。
それから、「金にては」という歌は、何というか、
とにかく辛辣な歌ですし、真実というものは、
こういうものではないでしょうか。
宮柊二先生も登場します。

・階下の老婆はわが姓も名も覚え難しと言ひていつよりか「お二階」と呼ぶ
・他の弟子よりも優れてゐしならずやユダは自ら縊りて死ねり

・馬鹿げたる考へがぐんぐん大きくなりキャベツなどが大きくなりゆくに似る

・病むわれがたまたま悪態をつくときに生きてゐる感じが鋭く顕ち来る

ある人の言葉、おのづから歌になりて
・金にては幸福は齎されぬといふならばその金をここに差し出し給へ

・日本挽歌を読み了りたり服を脱ぎ寂しさびしと思ひて眠りぬ
・晩春の岡山駅に柊二先生を待つ間の長く逢ふ間短し
・掘立小屋より出で来し女は容赦なく秋の河に子を入れて洗ひぬ
・車窓に来る青田に草を取る農婦人知れず生き且つ死にゆかむ
・われが何を欲してゐるかをわれは知る雲吹き散りし夜半の星空
・押売の閉めてくれざりし戸を閉めに出できて平手打の如き陽を浴ぶ
・この世界の崩さるる日のいつか来るや独り居れば今日の雲ぐぐと湧く
・努力さへしてをればよしといふものにもあらずパセリを刻みつつ思ふ
・唄もなく田草を取れる農婦らの前後に飛びて燕が光る
・とりかへしのつかざる皺をふかく刻みし手がつと伸びきて吊革握る
・コンクリートの塀にガラスの破片を植ゑ親しみがたきさまに人棲む
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