『読書少年』

2015/11/23

今日から少しずつ、
柏崎驍二さんの第一歌集『読書少年』の歌を紹介してこうと思う。
もうこの歌集を手に入れることは、きわめて難しいから。
まず、結婚して、最初の子供が生まれ、育てている時期の歌。
睦夫人は、三重県の尾鷲の人。縁あって、岩手の柏崎さんと一緒になられた。
4首目の「やうやく北の人ならむとす」は、感慨深い。
それにしても、柏崎さんの初期の歌は、本当に美しい。
写真に再現できたら、素晴らしいだろうと思う。

・ひとつ灯の下なるわれと妻が影汝が故郷も父母も知らず
・汝が国の常緑樹また羊歯群は行き見むいまの病越えよ
・夜の雪を見むと出でたる妻が歌ふ尾鷲須賀利の保育園の歌
・かたはらに子を眠らせて眠る妻やうやく北の人ならむとす
・林檎園の明るき木下わが抱くみどり児は風に眼をしばたたく
・春の雪睫毛にふれて融くるとき瞬きをなすわれのをさな子
・母待つと雪にたたずむ幼子の手はわれよりもはやく冷えゆく
・子をおぶひ海より帰りくる妻の白き帽子がしだいに近し
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