『読書少年』4

2015/12/07

引き続き、『読書少年』の歌を紹介する。
なお、今回でとりあえず終える。

・引越の荷物を分けてオルガンを妻は弾きいづ雪降りやまず
・二人子の歓(くわん)と妹(まい)頭をつきあはせ蟻の巣にあそぶ庭昼ふかし
・おお酸つぱいと青き林檎を妻のはむ夕べひそけく秋たちにけり
・をさな子の本を読むこゑその母の菜を刻むおと外の鳥の声
・尾鷲湾真中に浮かぶ青鷺の島なる佐婆留いま明けむとす
・ひとり住みし家を清めてこの町を出でにし妻をわれの知るなし
・朝早く階下の部屋にレ・ミゼラブルを読むはわが家の読書少年
・この村を出でて三十年朝の列車にことば聴きとりがたく居りたり

二首目の歌から分かるように、
柏崎さんのお子さんの名前は、二人とも漢字一字である。
高野さんの娘さんたちの名前が、和語なのに対して、
柏崎さんのお子さんは、漢字一字なのだから、
まさに好対照である。
終わりから二首目の歌が歌集の題で、
この題を選んだのは、宮柊二先生である。
そして、この少年が柏崎歓くんである。
実は、この柏崎歓さんに昨日会った。
というより見かけた。
昨日はコスモス短歌会が年二回行う出版記念会の後期の会だった。
歓さんは、柏崎さんの代理で出席された。
歓さんが高野さんに柏崎さんの盛岡での様子を
話していた時、丁度ぼくは高野さんの隣にいたので、
ある程度話の内容を聞けた。
詳細は分からないが、
それでも病状が安定しているということを
何度も歓さんが話しているのを聞いて、
ぼくもほっとした。
なお、歓さんは、
朝日新聞の記者である。
東京本社の文化部に所属しているので、
朝日新聞を購読している方は、
歓さんの署名入り記事を読んだことがあるのでは。

終わりから三首目の歌は、
柏崎さんの奥様の尾鷲時代の生活に関わっている。
この歌を読んで、
孤独ということの重さをまた考えてしまう。
『読書少年』が
現代短歌社の第一歌集文庫から出ないかなと思うが、
可能性は少ないかなと思う。
それはあくまでも、ぼくの勘のようなものだが。
この勘が外れることを願う。

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