小野雅子歌集『花筐』

2016/07/14

今日は、玉井綾子さんのお母さん、
小野雅子さんの第一歌集の『花筐』(ながらみ書房 一九九二年)
の歌を紹介します。
実は、この歌集は、
刊行された年に、高野公彦さんからいただいていたのです。
ところが、いただいた時には、あまり丁寧に読まなかったようです。
反省しています。
雅子さんは、小野さんの死後、
「地中海」に入会し、研鑽に努めたのです。
これまでに4冊の歌集を出しています。
小野さんの死後、綾子さんとお姑さんとの三人暮らしの
日々が詠まれています。

・確かなるひとつ選べば初夏の朝きみ逝きしこと銀杏舞ひ散る
・杏のごとき形もつと夫言ひし眼を輝かせ子はうたうたふ
・爪の色すこやかなれる人なりきその温みふたたびわれに還らず
・なにげなく点くればラジオ奏でゐる夫の好みし曲「イエスタデイ」
・春の畑へだててのぞむ球形のガスタンク夫と住みゐし町よ
・鉄の戸があきつつ描く半円を虹のごとしと虹を見し綾子
・サンダルの足先露にぬらしつつ歩みし朝のきみ帰り来よ
・バターになる虎の話におどろきて見開く目もつ子に育ち来ぬ
・父の記憶もたざれば歳わさなきにわが子の問ひは死にかかはれる
・失踪といひ蒸発といふその人らの帰り来るかもしれぬを羨む
・ねむる子の手にはめてみる手袋は指先に少しゆるみをもてり
・手のすがた爪のかたちも父に似る子なり今宵はピエロを描きて
・目玉焼黄身あざやかに焼けたるを好みし夫よ今朝も卵割る
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