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『邂逅や』

2018/06/30

昨日、西村美智子という方の歌集が届いた。
青磁社から出された『邂逅や』という歌集である。
「邂逅」は「わくらぱ」と読ませている。
帯文を見て、まず驚いた。

「戦後、
高等女学校の生徒が顫えるようにして
のめり込んでいった短歌。
その後、永らく歌から遠ざかっていた
著者が母の死を契機とし、約六十年ぶ
りに作歌を再開しまとめた第一歌集!」

もちろん「約六十年ぶり」に驚いたのだが、
目次を見て、さらに驚いた。
「ぎしぎし歌会」
「稲健さん」
「豊田厚二さん」
「「ぎしぎし」砦の残党」
といった小題のついた一連があるではないか。
そして、永田淳さんの解説、本人のあとがきを
読んで、何と西村さんは、ぎしぎし会のメンバーだったことを知る。
ぼくの感想は、「懐かしい」に尽きる。
ぎしぎし会のメンバーで面識のあるのは鈴木定雄さんと
井上美地さんだけである。
若くして亡くなった方が多い。
存命なのは井上さんだけだと思っていたから驚いた。
念のために「ぎしぎし會會報」の復刻版を見てみると、
後半には、西村さんの詠草が掲載されていた。
西村さんをぎしぎし會に誘ったのは、
恩師にあたる出崎哲朗さんであった。
歌の別れは早かったが、
亡くなられた母親の挽歌が朝日歌壇に掲載されたのをきっかけに
「塔」に投稿しはじめて現在に及んでいる。
昭和6年生まれだから、
今年87歳になられる。
あとがきに「生涯最初の歌集」という言葉があるが、
実に重い言葉であるし、改めて歌の力というものを思う。
三首紹介する。

・数えきれぬ春過ぎたれど出崎先生と浴びしさくらを我は忘れず

・稲健さんロマンチストでありしかな帽とマントに花むくろ載せ

・稲健さん児らに囲まれシャボン玉盛んに売れり昔の四条

「稲健さん」は後に「未来」の論客として知られるようになる稲葉健二である。
もちろんぎしぎし會のメンバーであった。


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