「塔」5月号

2011/05/16

「塔」5月号の吉川宏志さんの歌に、こんな歌がある。

・高木仁三郎読み居し日々は遠くなりぬけっきょくは読むだけだったのだ

上句は、文語、下句は口語。
一首におけるこの分裂が、
作者の心の状態をあらわしている。
高木氏は、一貫して原発に反対してきた孤高の科学者である。
今日本の知識人の多くは、
この吉川さんと同じような
つらい心境にあるのではなかろうか。
ぼくの場合は、
高木氏も知っていたし、広瀬隆の言説も知っていた。
しかし、ほとんど読まなかった。
あれだけ安全だと言っているのだから、
多分大丈夫じゃないのかなというくらいの
実に安易な気持ちだった。
というより、面倒だった。
わざわざ恐ろしいものを見る必要はないのではとも思っていた。
しかし、パンドラの箱は開けられてしまった。
しかも、未だに開けられた箱は、
閉じることができないままだ。
多分、この箱が開いてしまった以上、
原発という恐怖を与える科学の叡智は、
人類にとって、恐ろしい脅威として
存在し続けるのではなかろうか。
いや、もともとそういうものだったのだ。
それをみな知ろうとしなかっただけだ。

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